最近、自作浄水器を使っています。麦茶用のヤカンを用意し、煎った麦の代わりにヤシ殻活性炭をたっぷり入れて使います。
ただ水道水を注ぐだけで、即、浄水のできあがり。浄化された水は塩素が抜けておいしくなった代わりに細菌が繁殖しやすくなるので、念のためヤカンごと冷蔵庫で保存します。
昨年、SEIYUでこのヤカンを見かけましたが、季節商品らしく買わないうちになくなってしまったので、今年は狙ってゲットしました。
水タンクとヤシ殻活性炭を組み合わせた浄水器のアイデアは、O.Oku氏にご提供いただいたものです。わたしの工夫は容器に麦茶用ヤカンを使ったことだけ。
以下は,O.Oku氏にいただいた、自作ヤカン浄水器に関するコメントです。
◆ヤカン浄水器の特徴
1) 光が入らないので放置しても藻類が発生しにくい
プラスチックの水タンクを使うと使用頻度により緑藻類が上面に発生することがあります。(二週間以上放置などすると)
2) 水の容量に対して十分量の活性炭が入る
活性炭を1kg程度入れると,水道水を入れた瞬間に塩素は除去されると思います。
3) メンテナンスが容易
活性炭の吸着能は長期間使用すると低下してきます。ヤカン型の場合,満水にしてそのまま火にかければ,吸着ガスの脱着ができますので(65℃以上),月に一度でも15分程度弱火で沸騰させれば,吸着能を維持できますし,滅菌という点でも有利です。(煮沸後のお湯は冷えたら捨て,新鮮水道水と置換します)
4) 冷蔵庫使用は合理的
活性炭の吸着能は低温で高く高温で低いです。冷蔵庫使用は溶存物の徹底吸着という点でも合理的です。加えて,水の味は10~15℃でもっともおいしく感じますので,冷蔵庫で5℃保存,これを25~30℃のコップに注いで約10~15℃の水になるというのは理に適っています。
5) その他
小さいことですけど,ハンドリングの容易さ,中に入っているのは水なので蓋を開けなければ誰も怪しまない(笑),ステンレスは金属類の溶出速度が遅いなどいろいろあります。
このタイプの浄水器は,塩素水(水道水)が常時流入することにより内部の無菌(的)状態が保たれる仕組みです。ですから,雑菌繁殖を抑えるのには通水が効果的です。
冷蔵庫保存は水の味を良くする面と気分的に良いという効果が大きいと思います。冷蔵庫は生物の増殖速度が落ちますが好低温性の菌もいますし,定期的な滅菌がないのであれば,細菌類の増殖を抑えることはできないと思います(水道水中には栄養分が少ないので病原になるほど菌が増殖することは希ですが)。衛生的に心配であれば,毎日使って通水することが重要で,一日数回の通水があれば夏場でも常温で全く心配ないと考えられます。
もし雑菌が心配なら,定期的に煮沸すれば万全です。煮沸後のお湯は捨てて,新鮮な水道水に置換してから利用します。
保守上の問題
大切なことは,活性炭を常に水道水に浸した状態で使い,決して乾燥させないことです。中途半端な乾燥は塩類の析出を起こし活性炭の吸着面積を著しく減少させることがあるからです。