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WCCFが登場してから、早5年が経とうとしています。
ずい分と息の長いゲームだと、改めて感じています。
数多くの人に支持されているWCCFの成功の要因とは、一体何んでしょうか?
私は若い世代の”ゲーム・ファン”だけではなく、今までアーケード・ゲーム
にはまったく寄り付くことのなかったサッカー好きを、取り込んだことにあると
思います。
私を含めて、20代・30代・40代といった社会人がプレイする姿にそれが
表されています。
そしてWCCFは、「ゲームとしてのサッカー好き」と「リアルサッカーをゲームに
落とし込みたい人々」という”異種”同士を混在させたものとして歴史を積み
重ねてきているのです。
しかし、05-06シリーズに至り、多重バックという有り得ないフォーメーション
ばかりになっていることから、WCCFが極めて”ゲーム寄り”になってしまったと
いうことは否めません。
「the complete works of WCCF」の中でSEGA側が、05-06シリーズはゲーム性
がより高まった・・・という趣旨の記述をしていることからも、それが裏付けられます。
私は、このSEGA側の第3者的な無責任な発言に、猛烈な違和感を覚えます。
なぜWCCFがここまで成功したのか、ということをまったく理解していない、という
ことになるからです。
前述のようにWCCFは、今までアーケード・ゲームには見向きもしなかった人々を
含む「リアルサッカー好き」と、「ゲームとしてのサッカー好き」という異種を上手く
混在させた、ということによるものです。
マーケティングの成功、または、新しいユーザーを発掘したから、と言い換えても良い
かもしれません。
にも関わらず、今のWCCFのゲームとしての危機をまるで分かっていないかのような
能天気な発言(記述)には、腹立たしい限りです。
多重バックのような”ハメ技”が有効だと分かれば、それを採用する人が多くなるのは
至極当たり前のことです。ゲームなんですから。勝ちたいのは当然です。
でも、こうした一方(ゲームとしてのサッカー好き)だけを、結果的に優遇するような
システムで、軸足をゲーム側に極端に寄せてしまっている内容で良い訳がありません。
SEGA側が、WCCFがなぜ多くの人に支持されているのかを真に理解せず、これか
らも開発を進めていくのならば、この”ゲーム”が姿を消すことも、そう遠くない将来
に訪れるに違いありません。
「学生の頃にやっていたゲーム」として、記憶の中で語られる”ゲーム”はいくつも
あります。
しかし、「社会人になっても、初老になっても続けられる”ゲーム”の可能性を秘め
たものは、どれだけあるのでしょうか?
WCCFをプレイする人々が、どのような層で構成され、彼らが何を望んでいるのか。
この矛盾する困難な問題に折り合いをつけつつ、WCCFを進化させ続けることが、
開発者側の責務だと考えます。
WCCFがこの先、多くの人々を魅了して止まないものであり続けることを願って止み
ません。