たかが紅葉、されど紅葉・・・
紅葉はただ色が変わる、だけというものではありません。
それは奥が深く
その時の気候を映し出す鏡にもなります。
真っ赤に染まれば、太陽の光を十分に浴びて、日夜の寒暖差が多き日が続いたことが考えられるし
色が薄いと感じれば、照度が弱かったり、寒暖差が少なかったりと考えることができる。
それも、葉が生い茂る位置によっても変わるため、同じ並木道でも、紅くなったり、オレンジしなったりする。
紅葉には、それ以外にも風の当たり方、雨の当たり方、湿度、陽の当たる時間の違いによって
同じ樹であっても色は変わります。
色の変わる速さも違うから、大山参道のカエデは長期にわたって様々な風景を観ることができるのです。
12月も2週目になると、やはりカエデも焦り始めます。
気候の温暖化がすすめば、やがて「紅葉の年越し」という事態も起きることが考えられます。
大山公園でも、何枚かのカエデの葉は色づいたまま例年、年を越すことがあります。
でも、それは12月まで青葉で持ち越してしまえば、消去法で残ってしまうのは当たり前のことで
数枚、というならば温暖化を気にすることはありませんが
やがて、普通に紅葉の最盛期がずれる恐れもあります。
この「紅葉・定点観察」はただの趣味ではありません。
紅葉を通じて気候になにかが起きているかを判断する材料になればいいなって思いもあります。
・・・
さてさて、もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが
2週目の大山参道で目立つものがあります。
それが「黙っても冬」ということを伝えています。
白く見えるのは果実。
たいていの人は「枯葉」と思っているようですね。
風は相変わらず強く吹いています。
その弱まった一瞬を狙っています。
離層が完全に出来上がる前に、一気に葉が乾燥してしまうとこうなります。
カエデは「落ちてから枯れるか、落ちる前に枯れるか」この時期はどちらかの選択を迫られます。
まぁ、落ちる前に枯れたとしても、樹幹からの水分が供給ストップになっているから樹にとっては落葉と同じですけど。
やがて離層が完全にできると、ひらひらと舞い落ちてゆきます。
※離層が完全にできていれば、大半は風の勢いで飛ばされてゆきますが。
ドングリの樹は紅葉しませんので、このまま越冬です
オオモミジの黄葉。
これほど黄色が多く長持ちするのは珍しいかもしれません。
オオモミジには今年の気候は適しているのかも。
鳥の巣のようにカエデの葉の「ダマ」ができています。
この時期になると姿を現します。
葉が少なくなると、見つけやすくなります。
これから2巡目。側道の往復です。
表面は枯れて、内側はオレンジ
再び「オオモミジ」定点
オオモミジとイロハカエデの違い
強い風にあおられて、カエデの葉が吹き飛ばされてゆきます。
墓所側入口からスマホ片手に歩く2人組とすれ違いました。
わずかに残った紅葉の写真を所々撮っているようでした。
側道での撮影はクルマ優先です。
きょろきょろしながら撮影していたつもりですが・・・
風でなかなか被写体を捉えることができなかったことで
ずっとレンズとにらめっこし続けた結果・・・計3台のクルマにクラクションを鳴らされてしまいました。
気を付けていたつもりですが、ゆっくり近づいてくる車を気づくことができず迷惑をかける結果に。
注意をしていた立場が、たいへん恥ずかしい限りです。
風で聞こえなかったは言い訳。
注意しいたします。
そんな矢先に
1台のクルマが。
おやおや・・・
ずっと観察していると、女性が下りてきて、そのあと、着物姿の足もとが・・・
これは・・・
本来ならば、駐車場の案内をすべきなのかもしれませんが
私だって、そのくらいわかります。
近くに乃木神社があって、大山公園は11月中旬を過ぎると「七五三詣で帰りに撮影」する人が多くなりました。
この日は強い風も吹いています。
さぞ歩きにくいことでしょう。
「下りる前に駐車場は案内するのが」鉄則。
しかも、この時期は大山参道に訪れる人は見ての通り皆無。
お祝いの晴れ姿を温かく見守るのも大切ですから、ずっとその光景をそばで観させていただきました。
※すごくウザイ視線と感じていたかもしれないのはお察しの通りで。
風が時折強く吹くので撮影は大変だったようですが、けっこうあっという間に撮り終えて去ってゆきました。
クルマにクラクションを浴び、風で思うような記録ができず、心が折れそうになっていましたが
この一瞬のできごとはちょっと救いになったのかも。
大山公園を選んでくれてとてもうれしく思う、そんな一瞬でした。
続く。(まだかよ
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