遥かな轍(日々雑感)

大根サラダを食いまくってカリカリな体になってみよう(笑。

音轍~その6

2008年07月20日 14時01分29秒 | 音鉄Tips
キハ58の大きな窓を開けているととっても爽やかですよね。でも色々と問題が・・・;。


いやァ~、いよいよ本格的に夏本番といったところでしょうか?。あなたのところではどうですか?大阪も半端じゃないくらい暑いです。ただ、この連休は3連休を戴いて久々にゆっくりさせてもらって少しホッとしているはやぶさです。しかし、電気代節約の為、昼間はなんとか扇風機のみで凌ごうという魂胆ですが、パソコンが暑さに負げやしないか心配な今日この頃。関東で埼玉・・・いや、埼北辺りにお住まいの方、今日は猛暑みたいで、少し早いですが暑中お見舞い申し上げます。熊谷とか深谷とか行田とかってなんであんなに暑いんですかね?。ご愁傷様でございます。
さて、こんな暑い日に家でゴロゴロしている貴方、バーボンで一杯と言うのも一興です。



フォアローゼスのソーダ割「ハイボール」なんて如何ですか?(レシピはこちら)。ワイルドターキーと並んで"Bourbon's of Bourbon"とも言えるフォアローゼスの故郷は勿論アメリカ、ケンタッキー州。ケンタッキーのトウモロコシ畑とライムストーンに思いを馳せながらお気に入りのタンブラー(できれば15ozくらいのタンブラーで・・・)に、たっぷりと美味しいロックアイスを入れフォアローゼスのブラックラベルを適量注ぎ、ぺリエで割る。最高ですよ。暑さも吹き飛ぶってもんです(笑。

さて、今回は前回に引き続いて音鉄ネタです。何はともあれこちらをどうぞ・・・

予讃本線253D普通/高松~端岡キハ58773(MP3-128kbps/14.4MB 15:46)


上記の音源は昨年(2007年)の12/31に四国に行った際に録音したものでNT-4とMZ-RH10の組み合わせです。この音源を楽しみつつ今回のエントリを読み進めて頂きましょう。ちなみに未公開音源です。
キハ58の心地よいエクゾーストノートを聴きながらフォアローゼスのハイボールをグイっと呷って下さい。バーボン独特のスモーキーな香りとほのかな甘みが口一杯に広がって、さらにぺリエの天然発泡が心地よく喉を越して行く・・・旨いっしょ?(笑。さァ、気持ちよく酔いが回ってきた所で今日の本題ですが、今回はマイクのセッティングに付いてお話させて頂く前に車内での録音時のマナーに付いて考えてみます。

2.マイクのセッティング
イ)レコーディングスポットの選定

まず始めに、今回は走行音のレコーディング、つまり、車内での添乗録音を前提としてお話を進めさせて頂きます。線路際での屋外録音に付いては後日改めて・・・ですが、車内での録音も線路際での録音も基本的には似たようなもんです。ここで忘れてはいけないのは

風を制すもの、音鉄を制す!!


です。添乗録音で最も障害となるのが風です。これは線路際での屋外録音でも同じことが言えます。JR世代の車輌では窓が開かないことが多いのであまり気にする事はないとは思いますが、しかし、音鉄を極めようと考えるならば看過出来ない事柄です。特にこれから、国鉄世代のクルマの音を出来る限り臨場感豊かに録音しようと思うならば、後世に伝えるべくハイクオリティーな音源を目指すならば、風に対する対策は十二分に施すべきでしょう。そして、走行中の列車で窓を開けて録音するという事を大前提に考えなければなりません。いや、「俺は窓を開けるつもりはない。窓を開けるのはマナー違反だ!」と言う方もいらっしゃるでしょう。でも、窓を開けない派?の方でも読んでおいて損はないと思いますので最後まで気長にお付き合い下さい。
まず、何故窓を開けるのかですが、僕の考えとして出来る限り臨場感を得たいのと、車輌本来の音に拘っているというのがあります。つまり、僕は乗客として乗り合わせた時に耳にする列車の音を出来る限りリアルに録りたいと思っているのです。で、窓を開けることに関しては、国鉄世代のクルマに関して言えば、極めて幼稚な考えですが、窓が開くから開けるのです(笑。うーん、今のこの時を青春時代として生きておられる方々からは想像も出来ないかもしれませんが、僕らの世代からすれば窓は開けるものなんですよ。これは乗客がサービスとして得れる権利なんです(・・・は、ちょっと言いすぎかw)。ここで、若い人にはオヤジの昔話ばかりで恐縮ですが、僕が過去、キハ58系列で運転されていた急行で頻繁に体験したエピソードを一つ・・・。僕が高校へ上がる頃まで少し長めの連休ともなると親戚の住む岡山の真庭と言うところへ急行「みまさか」に揺られてよく遊びに行ったもんです。この「みまさか」、晩年は津山から先、普通列車として運転されていました。大阪~津山間は急行運転ですので夏場は当然冷房が入っていました。あの頃、キハ28にも何度か乗ったことがあるんですが、そのキハ28が腹下に抱えている冷房用の発電機「4VK」は当時でも煩く感じたものです。しかしその「4VK」が津山から先、急に鳴りを潜めるんです。何故かと言うと普通列車になるからって車掌さんが冷房を切ってしまうからなんです。今では考えられない事ですが当時はよくあったことです。信じられないでしょう?。真夏のクソ暑い時にやられたら本当に閉口します。しかし、僕たちを含めて乗客は「勝手知ったる他人の家」ってなもんで津山に着いて「みささ」の切り離し作業をしている間に一斉に窓を全開にしたもんです。そして吉野館の駅弁を買っていました。同じキハ58でしかも冷房が掛かっていて窓を閉め切ったまま津山を出てゆく「砂丘」「みささ」を恨めしく思いつつ(笑。そして・・・車掌さんの少し申し訳なさそうな、それでいて飽くまでも国鉄チックで義務的な?アナウンス、今でもよく憶えています。
「津山から先、この列車は普通列車となりますので冷房は切らせて頂いておりますのでご了承下さい。お近くの扇風機をご利用下さい。扇風機のスイッチは・・・」
信じられますか?。きっと信じてもらえないでしょうネ(笑。今だったら乗客は暴動を起こすかもしれませんね。でも当時、文句を言う人は誰一人いませんでした。そういうものだと思っていたんです(当時の乗客ってハッキリ言って今より民度が高いと思う。冷房は贅沢品だという考えもあったからなんだろうけども)。ここでもっと信じられないのは冷房が切られて唯一の頼りである扇風機がキハ28にはない事なんです。扇風機はキハ58にしかありませんでした。非冷房時代のキハ28にはあったはずなんですが冷房化されてから何故かキハ28には扇風機が付いてませんでした。キハ58には付いていたのに今もって不思議です。何と言う事でしょうか。当然窓を開けていないと乗っていられたもんじゃないです(笑。いやいや、でも当時は冷房が入ってなくても窓を開けていれば結構快適だったような記憶があります。で、僕がこの時に聴いたキハ58/28形のジョイント音が今でも強烈に、そして鮮烈に残っている訳でして、それを今頃になって追体験したくなって録音時は窓を開けたくなるって話なんですよ・・・妙に長い話しになってしまいました。すみません(汗。


車掌さんが申し訳なさそうに案内していたキハ58の扇風機のスイッチ。キハ58593(2005.9.25備後落合)



しかし、昔は「勝手知ったる他人の家」であったキハ58ですが・・・いやキハ58に限らず、鉄道で窓を開けて乗ると言っても、今の世の中、色々と問題があるようです。
例えば、冷房や暖房が入っている時期に窓を開ける事は僕でもやっぱり気が引けます。また、周りの乗客の迷惑となる場合もあります。ですから、取材に出掛ける時期も充分な計画を立てて、可能であるならば出来る限り「真夏」、「真冬」の時期は避ける事、窓を開けても周りの迷惑にならない時期を選ぶというのも大切です。そして、可能な限り混雑する時間帯は避ける事。これが非常に大切です。鉄道は公共の交通機関です。例え乗客としての権利を行使するにしても最低限のマナーは守って欲しいということです。真夏、例えば今の時期、非常に混雑する時間帯に、特にボックスクロスシート車で自分と同じボックスに相席する方が居たとして、貴方は録音の為にそれでも窓を開けるのか?と言う事です。この時期に、尚且つ、混雑する時間帯にしか取材に出掛けられないという貴方、申し訳ないですがもう諦めた方が良いです。今のこの世知辛い世の中、周りの迷惑とならないよう勤める事は人間として最低限必要なことです。どうしてもと言うならば、乗客の少ない時間帯、例えば早朝とか深夜とか、音を録る側が無用なトラブルを避ける為に出来る事はいくらでもあります。折角ですから良い思い出になるよう自分自身でフラストレーションの溜まらない状況と言うのを作り出して欲しいと思います。この辺りの考慮が充分であるならば、思いもしない素敵なハプニングがあったりもしますから。方々の音鉄スレで窓は開けるべきか、いや、開けるべきでないか・・・随分と激論が繰り広げられてきました。僕も頻繁に意見交換に参加して音鉄家の方々から意見を聞きました。結論から言うと録り手側の誠意次第だという事、最低限のマナーはやはり守る事、これに尽きると思うのです。重たい機材を担いで意気揚々と現場へ出掛けて行って、しかしちょっとした事からトラブルとなり気分を殺がれた上に、結果として自分の満足行く成果を得られないでは何しに行ったかわかりません。ましてや非常にコストの掛かる仕事です。ドン・ガバチョではないですが、「今日がダメなら明日があるさ、明日がダメなら明後日があるさ」という精神も大切です。環境に恵まれなくても出来る事はある。限られた環境の中で最良のパフォーマンスを発揮するのもまた、貴方の器量と言うものです。そしてその努力は次の機会に必ず満足行く結果をあなた自身に齎してくれる事でしょう。とは言え、自宅の近所でのロケハンならいざ知らず、年に数回、いや1度きりの遠方でのロケハンでの思わぬトラブルは本当にヘコミますよね。僕も何度となく苦い経験があります。奇麗事だけを並べて澄む問題じゃないぞ、と、思うこと数知れずです。でも、我慢ですよ、我慢!!。仕事は段取り八分と言います。慎重すぎるくらいの用意周到さが必要でしょう。事前調査の徹底と余裕のあるロケハン行程を組みたいものです。またもや肩の凝る話で恐縮ですが頑張ってください。

あれ?マイクのセッティングの話は何処へ??? と言う突っ込みもなく夜も更けて行く…(苦笑。

音轍~その7へ行ってみる。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Zio)
2008-07-21 03:24:25
こんばんわ、はやぶささん。Zioです。

埼玉は海に面していないので、広い関東平野の北部ともなると内陸性気候になり、夏は暑く冬は寒いという状況であります。最近では、東京上空の熱く汚染された大気が、荒川を越えて冷やされ浦和あたりで下降してくるので、光化学スモッグがよく発生するというオマケ付きです(笑)。

さて、MP3データを拝聴させていただきました。風の音もなく、音場の広がりも感じられ、流石だなぁと思いました。マイクの特性なのかもしれませんが、音がマイルドで耳に優しい感じがしました。この前、私が録音した音は結構ギザついて耳に優しくない音でしたので、もしかするとDR-1内蔵マイクは倍音が強すぎるだけなのかもと思っています。

私もこの前、風が厄介だと初めて知りましたが、よく考えてみると夏場はセミの声という更なる難敵がいるような気がしており、やはり秋あたりが録音には良い季節なのかなぁと思っているところです。
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こんばんは! (はやぶさ)
2008-07-21 22:24:22
Zioさん、いらっしゃいませ!
いやァお恥ずかしいですが、褒めていただいて恐縮です。NT-4は3万弱くらいの値段で買えるマイクとしては破格の性能だと感じています。ドラムの音も録ってみましたけど良い感じでしたよ。音は兎も角、公開できるほどのプレイではないのが残念ですが。マイクをお探しなら候補に入れても損はないかと思います。DR-1は使ったことないのでなんとも言えないですがセッティング次第と言う気もします(生意気な見解ですみません;)

>東京上空の熱く汚染された大気が、荒川を越えて冷やされ浦和あたりで下降してくる

あ、僕の仕事仲間で熊谷と加須に住んでる人が居て同じ事を話していたことがありました。自然の驚異とも(苦笑。Zioさんも埼玉でしたっけ?。暑い中大変ですがお仕事頑張って下さい。明後日そちらへお邪魔しますです、はい。ニアミスするかもですよw。

仰るとおり夏場は音鉄にとっては色々と弊害もありますが、たまには録音に出掛けるのも悪くないですよ。秩父鉄道なんかだと旧国鉄の101系(現1000系)なんかは非冷房車(3両編成の真ん中)もありますし。行こう行こうと思いながらいつも遠目に見ているだけですが・・・。秋に向けてのロケハンがてら如何でしょうか?。
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