遥かな轍(日々雑感)

大根サラダを食いまくってカリカリな体になってみよう(笑。

「幻影。倉吉鉄道」イラスト制作記。/はやぶさ

2006年06月19日 23時50分57秒 | イラストを書こうっ!!
今日から再び新しい一週間がスタートしましたね。今週も仕事に勉強に精を出して参りましょう。さて、昨日は本家WebTopページに恥をかく覚悟で!?新作イラストをUPするべく、ちょっとアーティスティックな一日を過ごしておりました。本当は昨日Postしたエントリーで紹介しようと思っていたのですが・・・。サッカーは皆さんご覧の通りでしてショック大(泣。ちょっと寝込んでおりました(嘘。
今回新たに描いたイラストですが本家Webにて新たに展開を始めた架空鉄道コーナー夢轍でのイメージボード的意味合いを持たせています。本当なら、現在平行して製作中の9mm(N)レイアウトを使って模型で情景を再現しようと考えていましたが、経費が必要以上?に掛かる為、予定変更。僕の本来の仕事(ライフワーク?)であるイラストで再現してみる事にしました。これには、折角永い年月を経て得た自分の絵に対する技量を低下させない為と(既に急転直下状態ですがorz)新たな技術啓発の意味合いもあります。それと夢轍コーナーの活字のみによる殺伐とした雰囲気に喝を入れるべく一服の清涼剤にでもなればとの思惑もあるのです。ではまずは、新作「幻影。倉吉鉄道」のイラストをご覧下さい。相変らず薄い絵ですね(汗。で、実際のサイズはF3号ですがWebでの公開の為トリミングしてあります。サイズ的には若干広く取り過ぎた空の部分をカットしてM3号に変更。さらに縮小したものを公開しています。では、途中経過を画像を追いながら紹介させて頂きます。


まずは構図とデッサンからですが今回も特に力を入れて描いた訳ではなく、しかし、橋梁の水平だけには配慮しています。デッサンに入る前にルーラーで水平線を引き、それを基準にしています。また、橋を渡る列車も極力ディテールを表現しました。殆ど目立っていませんが、蒸機は国鉄のB6を、貨車は国鉄黎明期の車輌、客車も明治後期に出始めたダブルルーフのボギーを、それぞれモチーフにしています。どの車輌も架空のものです(笑)。それとガーダーのリブやリベットといったディテールも書き加えています。最後に下絵のアウトラインを強調させて着色後に退化するのを防ぐ処理をしておきます。デッサンで使用した鉛筆はファーバーカステル/9000の「B」「2B」です。


では着色に入ります。今回は透明水彩を使っています。ホルベインのアーティスツウォーターカラーです。下準備として色ノリを良くする為に「水引き」という行程を踏んでいます。画面に色を乗せる前に大きめ(10号位)の平筆で水を引くというもので紙に絵具を馴染み易くさせる準備です。とくにワトソン水彩紙とかアルビレオ水彩紙といった荒目の画用紙では効果的です。今回はアルビレオ水彩紙を使っています。水引きしたら一旦乾かします。
さて、では色を乗せて行きましょう。基本は広い所、面積の大きいところから、薄めに溶いた色を一気に乗せます。また、色を乗せる前に再度水引きし今度は紙が乾かないウチに素早く作業します。注意点としては前面に同じ色をベターっと塗るのではなく、要所要所で強弱を付けて単調にならないよう心掛けます。僕は絵に深みと味わいを持たせる為に、先ず「イエローオークル」を薄く溶いたものをざっと乗せて行きます。透明水彩は隠ぺい力が非常に弱いので地の色が上に乗っかって行く色と重なり合って何とも言えない効果を発揮してくれます。ですので最初の段階ではいきなりフルカラーで色を乗せるのではなく、まずはセピア調の絵を描く感覚です。で、全体の雰囲気を確認して、上に実際の天然色を乗せて行くのですが、最初の段階で乗せた色が最後まで影響します。マチエールと言う言葉を聞いた事は無いでしょうか?つまり絵肌と言う事で水彩の場合、紙の材質が大きく反映されるのですが、水彩は油彩に比べて絵具で表現できるマチエールには限界が有りますが、でも水彩だからといってバカには出来ないものが有ります。色を乗せる事で絵に描かれているものの質感を表現しようという意味ですが、下絵だからと手抜きせず頑張りたい所です。と言いつつ、気が逸って空の部分にコバルトを乗せてしまっているのが笑えます(汗。


さて、下塗りを終えたらどんどん色を乗せて行きますが、まだまだ完成は遠い訳で、今度はやはり薄めに溶いた色を全体にのせて絵のバランスを見てゆきましょう。空に関してはこの行程である程度決めてしまいます。また蒸機の排煙も大まかに描いておきます。この煙は難しいですね。なんか取って付けた様になってしまいました。緑の部分、後方の丘はテレベルト、サップグリーン、グリニッシュイエロー、カドミウムグリーンのペールとミドルを、ガーダー橋はまずバーントシェンナを乗せています。空を表現するのに水引きしては色を乗せるの繰り返しでさらにイエローオークル、ローシェンナ、ローアンバー、バンダイキブラウン、コバルトブルー、コンポーゼブルー、ウルトラマリーン等をどんどん乗せて画面上でぼかしながら偶発的に混じり合うのに任せます。この辺りには経験が必要ですが、自分のイメージする情景を目指して頑張りましょう??? しかし、調子に乗りすぎて紙が水分を含み過ぎて反り返っているのが涙を誘います。


さぁ、さらに紙が反り返っているのには敢えて目を瞑って・・・。どうにか完成が見えてきました。といってもまだまだですが・・・。前景に葦の茂みを素早い縦ストロークでサッ、サッ、と描いていきますがこれもまだ輪郭はハッキリさせずボヤっとした感じで絵に奥行きを持たせる為の行程を踏みます。ココで使った色も背景の丘と同じくテレベルト、サップグリーン、グリニッシュイエロー、カドミウムグリーンのペールとミドルに褐色系のバーントシェンナとアンバー、イエローグレイを加えて、全て薄めに溶いて乗せています。


と言う事で完成にかなり近付きました。背景の丘と前景の葦をさらに描き、ガーダー橋はカドミウムレッドにバーントシェンナを混ぜたモノを乗せます。レールもバーントシェンナで起して枕木も同様に描いていきます。で、ここまで来て気が付いたのです。空が間延びしている事に・・・。ちょっと構図を失敗してしまいました。仕方が無いので荒療治。で、さらに色々と手を加えて完成したのが夢轍でUPした画像です。ちなみに拙WebのTopに掲げている画像ではちょっと色調補正していますので本来に色にくらべてビビットな感じにしてあります。試しでやってみたのですが、かなりイメージがかわるのですねぇ。しかし、絵って本当に楽しいものです。ご覧になっている貴方も一度チャレンジしてみて下さい。で、次作もすでに制作に入っています。いずれ公開できると思いますので、また、制作記を投稿したいと思います。では今回はこれにて・・・。



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