2002年に作家の辻仁成と結婚し、出産と同時にパリに移住してしまった中山美穂。歌手から女優として成長し、女優としても映画、ドラマ、CMなどを多く手鰍ッる絶頂期に突然表舞台から姿を消してしまったのだが、この本を読むと、彼女のパリでの生活ぶりを知ることが出来る。息子をパリの現地校に送り、パリでのちょっとした風景や人々とのふれあい、生活の中での気付きによってもたらされる、「幸せと安らぎ」の中で現地に根ざした生活を送る様子はとても好感が持て、また彼女の目を通して、改めてパリという街の魅力を鮮やかに感じ取ることが出来る本になっている。これを読んで、久しぶりにパリを訪れたく行なってしまった。
またこの本は、単なる中山美穂のパリ生活エッセイでは無く、彼女のパリでの生活、そして息子を育てていくことを通じて、自分自身のこれまでの人生を振り返るヒーリング的な要素にもなっている点は注目だ。日本でのアイドル期や女優としての絶頂期では、あまり自由度が無い中で生活していたが、パリでは周りの目を気にする必要も無く、自分らしく、伸び伸びと生活を楽しんでいる様子が表現豊かに綴られている。しかし、実に衝撃的な過去のエピソードが幾つも披露されている点にはかなり驚いた。どれもさりげなく書かれているのだが、その内容は衝撃的である。彼女は母親に育てられ、実の父親は彼女がまだ幼い頃に出ていっており、父親の記憶があまり無いこと、そしてその実の父親が数年前に亡くなったことを後で母から聞いたこと。この関係で転勤/引越しも頻繁に有り、叔父や祖母の家に預けられて育ったことなどを知ることが出来る。母も恐らく生活していく為にかなり苦労したのであろうと思われる。また、中山美穂が昔一緒に暮らしていた男性に、突然包丁を振り回されたこと、そして子供時代にも母親がある男性に包丁を突きつけられ、母がその男性の足に噛み付いて中山美穂を逃がした危機一髪エピソードなどの恐舞フ験が語られている。また、小学生の頃、帰宅途中で誘拐されそうになったという衝撃的なエピソードなどもあり、この事件がトラウマで息子にも過保護になってしまうことなどが語られている。更にアイドル歌手だった時代に、仲の良かったモデルの卵が突然自殺してしまい、悲しみの中で”自分は自由に生きて行こう”と強く思ったことなども紹介されている。
中山美穂はちょうど僕とも同い年/同世代であり、お互いに同じ2004年に子供を授かっていることもあって勝手に妙な親近感を感じているのだが、あの”圧倒的な美しさ”は今も変わらずなご様子で、更にパリでの豊かな生活の中で、ナチュラルな美しさが更に加わっているのではないかと思う。中山美穂主演、岩井俊二監督の「LOVE LETTER」は、僕の最も好きな映画の一つだが、今年久しぶりの主演映画「サヨナライツカ」(夫の辻仁成原作)の公開が控えているが、彼女の映画主演は「東京日和」以来9年ぶりとなるので、久しぶりに映画で見る中山美穂、実に楽しみだ。
ちなみに、僕は中山美穂の妹、中山忍もかなり好きな女優で、”完璧な美しさ”である姉に比べ、可愛らしさといい意味での”未完成さ”が妹の魅力。それにしても「強力な姉妹」である。妹のエピソードも若干、本の中に登場している。
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