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ジャム&ルイス、感動の初アルバム(?)をリリース!

ジャム&ルイスを皆さんご存知だろうか?ジミー・ジャムとテリー・ルイスによる音楽プロデュースデュオだが、90年代のR&Bシーンを席巻した大物プロデューサーとして知っている方もいるだろう。



元々プリンスファミリーで、モリス・デイと一緒に組んでいたバンドのThe Timeのメンバーであったが、その後1986年にリリースされた、ジャネット・ジャクソンの3枚目の大ヒットアルバム、『Control』をプロデュースしたことで一躍プロデューサーとして脚光を浴び、続くジャネットの『リズムネーション1814』でも大成功を収め、1980年-90年代に他にもシェレール、ヒューマン・リーグ、アレクサンダー・オニール、キャリン・ホワイト(のちにテリー・ルイスと結婚)、マライヤ・キャリー、ボーイズIIメン、メアリーJブライジ、トニー・ブラクストン、マイケル・ジャクソン、アッシャー、日本でも島谷ひとみ、宇多田ヒカル、MIYAVIなど、プロデュースを手鰍ッたアーティストは数知れない。グラミー賞も5度受賞しており、まさに1980年-90年代は、BABYFACEと並んで一世を風靡したプロデューサーであり、R&Bファンには外せない存在だ。



そんな大物プロデューサーのジャム&ルイスが、何と今になってオリジナルのセルフ名義アルバムを今年リリースしたのだ。これは正直かなり驚いた。昨年BABYFACEとコラボした『He Don’t Know Nothin’ Bout it』で既に期待は高まっていたが、今月の16日に満を持してついに初のセルフアルバム『Jam & Lewis Volume 1』がリリースされたのだ。大ベテランにして、Volume 1というのも何とも潔くて気持ちいい。



このアルバムに収録されているのは下記全10曲。80-90年代は1アルバム10曲というのが普通だったが、今の時代やたら曲数を詰め込むアルバムが多い中あえて10曲というのもカッコいいし、自信の表れだろう。ボーカルを務めるアーティストが過去にジャム&ルイスがプロデュースを手鰍ッたアーティストたちというのも素晴らしいし、何とも豪華!

1) Till I Found You (Jam & Lewis & Sound of Blackness)
2) Spinnin (feat. Mary J. Blige)
3) The Next Best Day (feat. Boys II Men)
4) Somewhat Loved (There You Go Breakin’ My Heart) (feat. Mariah Carey)
5) He Don’t Know Nothin’ Bout It (Jam & Lewis & Babyface)
6) Happily Unhappy (feat. Toni Braxton)
7) Maybe I’ve Changed (Or Did You) (feat. Heather Hedley)
8) Do What I Do (feat. Charlie Wilson)
9) Do It Yourself (Jam & Lewis & Usher)
10)Babylove (feat. Morris Day, Jerome & The Roots)

これまで他のアーティスト向けに曲を提供し、プロデュースしていたジャム&ルイスが、今回は自分のアルバムながら何とも豪華なアーティスト陣をボーカルに呼んだものだ。しかも、過去の提供曲のリメイクとかではなく、全くの新曲だから、ジャム&ルイスのアルバムとしても楽しめるし、各アーティストの新曲的に楽しめるのがまた素晴らしい。



どの曲も、オーソドックスで安定の王道R&Bに仕上がっており、クオリティーは高い。ひねりの効いた昨今の曲を聴いている人には少し平凡に感じるかもしれないが、僕の年代の人には、80-90年代の王道R&Bが現在もまだ息づいていると感じさせる内容で、ある意味ほっとした感覚。ジャム&ルイスが流行りのひねった曲にある意味感化されていなくてほっとしたという意味である。

先行リリースされていたBabyfaceとの5曲目は、ある意味“超王道のBabyfaceサウンド”に仕上げられており、悪く言えば特に代わり映えしないが、良く言えば安定のBabyface印になっている。



この真面目な10曲の中で僕が一番気に入ったのは、4曲目の『Somewhat Loved』。あのマライア・キャリーをボーカルに迎えたバラードだが、久々にマライアがあの7オクターブ、スーパーハイトーンボイスの健在ぶりを聴かせてくれるのも感動的だ。また、バラードとして最も秀逸なのは、3曲目の『The Next Best Day』だろう。こちらもBoys II Menが変わらぬ安定した艶のあるボーカルで聴かせてくれるが、スタンダードな魅力のある曲だ。



最後10曲目の『Babylove』はやはり触れないわけにはいかないだろう。これはあの成金ファンクの王様であるThe Time、モリス・デイが参加したナンバーで、まさにThe Time的な香りがプンプンする1曲に仕上がっている。僕はThe Timeのアルバム、『Pandemonium』が今でも大好きだが、このお調子者の成金チャラ男キャラのおふざけ具合がとても好きだった。今回の曲は、往年のおふざけ度合いは効いていないものの、お調子者の成金チャラ男もそれなりに大人になったということだろう。でも健在なのには正直嬉しかった。



『Jam & Lewis Volume 1』は、R&Bファン、そしてジャム&ルイスファンにはもちろんMUST BUYな一枚だが、あまり彼らを知らない人にも王道R&Bの入門編としてぜひ聴いてみて欲しい、そんな話題の詰まったアルバムである。

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