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芦川いづみ祭り2024 第4弾!『死の十字路』

これで3週連続芦川いづみの映画を取り上げているが、今年の芦川いづみ祭りもかなり盛り上がってきた(笑)。

今回観たのは、1956年の日活モノクロ作品、『死の十字路』。江戸川乱歩原作のサスペンススリラーだ。主演は三國連太郎と新珠美千代。三國連太郎と言えば浜ちゃんのスーさんが有名だが、彼の若い頃の作品である。

物語は、誤って殺人を犯してしまう会社社長が他の殺人にも絡んでしまい、どんどん窮地に追い込まれていく悲劇を描いている。江戸川乱歩の原作だけあって、ミステリー・スリラー要素が結構面白く、ヒッチコックのサスペンス映画を観ているかのようでもあった。

伊勢商事社長の伊勢省吾(三國連太郎)は秘書の晴美(新珠美千代)と不倫関係にあった。密会していたある夜、伊勢の妻(山岡久乃)が髪を振り乱し短刀を手に晴美の家に乗り込んできた。何とか妻を必死に抑えようとした伊勢だったがはずみで誤って窒息死させてしまう。そこで伊勢は愛する晴美との生活を守るため、ダムに妻の死体を捨てることを思いつくと、車のトランクに死体を押し込んでダムまでの長い道を走り始める。しかしとある十字路でトラックと事故を起こしてしまう。派出所で名前や車体番号を調べられたが、トランクの死体は見つからずに済んだ。再びダムへと車を走らせると、後部座席から突然手首が伸びてきて伊勢の肩に絡んだ。ぎょっとして振り返ると見知らぬ男(大坂志郎)が死んでいた。まだ警察が近くにいる場所で死体を捨てるわけにもいかず、伊勢は妻の死体と共にダムへ葬ろうとするが…。

大坂志郎が死んでしまう見知らぬ男と、後に事件に迫る探偵役の2役を演じており、また芦川いづみは準主役的な位置づけで、本作では大坂志郎演じる男の妹役でな何度か登場する。残念ながらそう出演シーンは多くないのだが、ベレー帽を被った姿など、やっぱり隠し切れない清楚な美しさを披露している。1956年と言えば、まだ芦川いづみの絶頂期を迎える少し前であり、まだ若干初々しい彼女を満喫できる作品だ。

出演シーンが少ない為、芦川いづみの主演映画とはやや言い難いものの、他の映画とはまた少し違う芦川いづみの魅力が楽しめるという点では観て損はない作品。また芦川いづみ作品という点は無視しても、純粋にサスペンス映画としては結構良く出来ており、想像していたよりも楽しめた映画であった。

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