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平凡特別編集『20世紀のビッグスタア』!

マガジンハウスから2000年頃に、計6冊の“平凡特別編集 『20世紀のビッグスタア』と題した写真集が出版された。この写真集の存在をつい最近知ってしまったのだが、この6冊の内、第二巻が『裕次郎と日活アクション』、第三巻が『銀幕の名花』をテーマに取り上げており、僕の一番好きで興味のある内容だったので、早速ネットで状態の良いものを見つけて購入した。裕次郎と日活映画が好きだからではあるのだが、もちろん一番のお目当ては、いつものように”芦川いづみ“の面影を探すことなのだが(笑)。

まず一冊目の『裕次郎と日活アクション』だが、タイトルの通り、裕次郎を中心に日活のスター俳優を贅沢に取り上げており、特に裕次郎、小林旭、赤木圭一郎の3名にたくさんの紙面を割いている。当時はこの3人に和田浩治などを含め、”ダイヤモンドライン”と呼ばれていた。

裕次郎の写真集は他にも何冊か持っているが、他の写真集にはない写真なども多く、かなり興味深い。映画のみならず、プライベートの写真などもかなり取り上げられている。

タフガイ裕次郎に対して、裕次郎に次いで当時人気があったのが、マイティガイこと小林旭。拳銃アクションなど、多くの日活アクション映画に主演し、当時の日活を支えた人だ。3人の中では今でも健在なのは小林旭だけとなった。

もう一人忘れてはならないのが、トニーこと赤木圭一郎。正直3人の中で一番のイケメンではないかと思うが、日本人離れした顔立ちと恵まれた体格はスターになることを約束されていたが、若くして車の事故で亡くなってしまったのが残念である。

この3人ほどではないが、同じく当時人気のあった宍戸錠、二谷英明、和田浩治、浜田光夫、高橋英樹、渡哲也なども取り上げている。この中では今も活躍中の高橋英樹が一番好きであったが、裕次郎の継承者という意味ではやはり石原プロの社長となった渡哲也だろう。和田浩治は風貌が裕次郎に似ていたこともあり、”ミニ裕次郎”とも呼ばれていたが、結果的には似ていたからこそ個性が出し辛かったかもしれない。

もう1冊の『銀幕の名花』は、日活のみならず、昭和を彩ったスター女優たちを大勢取り上げており、特に日活の北原三枝(のちの裕次郎夫人)、芦川いづみ、浅丘ルリ子、吉永小百合、加賀まりこ、和泉雅子、そして東宝の星由里子などを大きく取り上げている。

最後に、薬師丸ひろ子、原田知世の角川女優も取り上げられていた。

お目当ての芦川いづみもちゃんと大きく取り上げられていたのには感動した。また今まで見たことのない写真や、渡哲也の横で写っていたお正月カレンダー用の着物ショットなども収録されており、イズミストとしては大きな収穫となった(笑)。

この2冊の写真集を見ていてやっぱり思うのは、昭和の(特に1950-60年代の映画黄金期)俳優界は本当に華やかで、ビッグスターが多かったことだ。当時は映画が最大の娯楽であった為、年間の公開映画数も半端なく多かったし、みんなが映画館に足を運んだものだ。1970年代に入って、メインステージはテレビに映り、裕次郎もまた映画から『太陽にほえろ』などテレビに移って行ったし、日活も映画から撤退して次第に衰退していく時期を迎えてしまったのだ。黄金時代は日活、東宝、東映、松竹、大映など多くの大手映画会社があり、各映画会社でそれぞれスター俳優システムを形成していたが、“五社協定“により、同じ俳優が違う映画会社の作品に出ることは出来なかったし、違う映画会社のスターが共演することもなかった。この問題に風穴を開けたのが東宝/三船敏郎と日活/裕次郎の『黒部の太陽』だったのだが、皮肉にも結果的にこのシステムの崩壊が、映画の黄金時代の終焉を招いてしまったのかもしれない。そんな映画界の歴史などに思いを巡らせながら、大好きな芦川いづみの面影を確認出来るという意味で、なかなか嬉しい写真集2冊となった。

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