今年はマイケルジャクソンの死という、妹ジャネットにとってあまりにも辛い出来事があったが、このアルバムはマイケルへの追悼ベストでもある。ジャネットは兄たちの中でもマイケルにとても近い存在で、またマイケルも可愛い妹のジャネットを幼い頃から可愛がっていたという。最近テレビのマイケル関連特番などでも良く目にするが、印象的なのは1993年の第35回グラミー賞でマイケルがLegend Awardを受賞した時である。プレゼンターのジャネットがマイケルのステージで抱き合い、兄のことを常に尊敬し、愛していると告げたシーンはこの仲の良い兄妹の関係を素直に表していた。
http://www.youtube.com/watch?v=t-p6uA9yKM8
また、ちょうど先週の米国出張中にジャネットのベスト版発売にあわせて全米4大ネット局のABCが組んだジャネットとのインタビューでも、マイケルについて語っており、その胸のうちを聞くことが出来た。幼い頃のマイケルとジャネットの写真や映像を見ると、本当に2人とも夢と希望に満ちた、キラキラした魅力が一杯でその姿は微笑ましい。
さて、今回のベストの曲目は下記の通り、全35曲が2枚のCDに収録されている。
Disc 1
1. What Have You Done For Me Lately
2. Nasty
3. When I Think Of You
4. Control
5. Let's Wait Awhile [Single Remix Version]
6. The Pleasure Principle
7. Diamonds [Herb Alpert with Janet Jackson]
8. Miss You Much
9. Rhythm Nation
10. Escapade
11. Alright [7" Video Version with Rap]
12. Come Back To Me
13. Black Cat [Video Mix / Short Solo Single Album]
14. Love Will Never Do (Without You)
15. The Best Things In Life Are Free [Luther Vandross and Janet Jackson with special guests BBD and Ralph Tresvant
16. That's The Way Love Goes
Disc 2
1. If
2. Again
3. Because Of Love
4. Any Time, Any Place
5. Scream [Michael Jackson and Janet]
6. Runaway
7. Got `Til Its Gone [featuring Joni Mitchell and Q-Tip]
8. Together Again
9. I Get Lonely [featuring BLACKstreet]
10. Go Deep
11. What's It Gonna Be [Busta Rhymes featuring jane]
12. Doesn't Really Matter
13. All For You [Video Single Mix]
14. Someone To Call My Lover
15. All Nite (Don't Stop)
16. Call On Me [with Nelly]
17. Feedback
18. Make Me
19. Make Me (Moto Blanco Remix)
ジャネットは、兄マイケルほどの”天才”では無く、むしろ努力家だと思うが、やはり音楽一家に産まれて一定の音楽的な才能を持っていたし、音楽的なセンスは兄弟たちとの時間の中で、幼い頃から磨かれていったと思われる。マイケルの声にも良く似たハイトーンボイスも印象的で、顔立ちも良く見るとマイケルにも似ている。
ジャネットは、マイケルばりの激しいダンスが注目されがちで、曲も「Nasty」、「Control」、「Miss You Much」、「Rhythm Nation」などのダンスビート曲が目立つが、僕はどちらかと言えばミディアムテンレnのメロディーとハーモニーが美しい曲や、バラード系の曲が最もジャネットらしくて好きである。具体的には好きな順に下記の通り。
1) Together Again
2) Let’s wait awhile
3) All for You
4) Because of Love
5) When I Think of You
6) Come back to me
7) Again
8) Runaway
9) Feedback
10) Any Time, Any Place
ジャネットはこれまで10枚のアルバムを出しているが、最初の2枚は興行的にも失敗に終わっており、実際にベストにも収録されていない。ジャネット的にはJam & Lewisをプロデューサーに迎えて大ヒットした1986年発表のサードアルバム、「Control」を実質的にはファーストアルバムと位置づけている。「Control」は7枚のシングルヒットを輩出し、世界で1,400万枚を売り上げた。続く1998年発表の「Rhythm Nation 1814」では8枚のシングルヒットを送り出し、こちらも全世界で1,400万枚の大ヒット。そして1993年に発売した「Janet」は10曲のシングル曲を出す。前の2枚のアルバムに比べると、各曲にそれほどインパクトのある大ヒット曲は少なめだが、最高記録の2,000万枚の大ヒットとなった。1995年にはその時点でのベストアルバム、「Design of a Decade」を発売し、こちらも世界で1,100万枚を売り上げている。個人的には2001年に発表されたアルバム「All For You」もキラキラしたジャネットの魅力が満載なアルバムとしてとても印象に残っている。「Doesn’ t Really Matter」は日本では島谷ひとみが「パピヨン」としてカバーし、ヒットしたことでも有名。
今回のベストアルバムは時系列的に収録されているが、彼女の進化の過程が確認出来るようでも有り、結構気に入っている。そして最後に収録されている新曲「Make Me」もジャネットらしいノリのいいリズミカルな曲で痛快な作品に仕上がっている。彼女らしい曲が健在であることは嬉しい限りだ。そしてマイケルのベストアルバム「History Past, Present and Future」に収録されていたデュエット曲、「Scream」が今回ジャネットのベストにも今回収録されたのは素晴らしい。
僕の大好きだったマイケル亡き後、やはりマイケルを継承出来るのは妹のジャネット以外にいないと思っており、今後の彼女の益々の活躍が楽しみである。
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