もう12年も前になると思うとびっくりするが、2011年に神保町シアターで、『可憐な娘(ひと)たち 守ってあげたい芦川いづみ、胸がときめく司葉子』という企画で、芦川いづみと司葉子の映画祭が開催された。その当時は開催を知らず、またそんなにまだ芦川いづみの映画も観ていなかったのだが、この映画祭のチラシが何とも魅力的なので、前から入手したいと思っていた。そんな矢先、ラッキーなことにこの12年も前の映画祭のチラシをゲットすることが出来た。
日活の芦川いづみに対して、東宝の司葉子。芦川いづみは1950年代中盤から1960年代、司葉子は主に1960年代に大変人気のあった女優だ。
司葉子はどこか北原三枝(石原裕次郎夫人)にも似た、どこかカッコいい女優で、ある意味男顔の美形であった。一方芦川いづみは何とも可愛い可憐な女子。その意味では、”守ってあげたい芦川いづみ“、”胸がときめく司葉子“というキャッチコピーはかなりうまくいいあてている。
この映画祭は、まさに日本の映画界を代表していた女優2人に焦点を当てた点で何とも見事な企画である。そして、このピンクのチラシがまたとてもいい感じに仕上がっている。約1か月もの間、芦川いづみ主演作品、司葉子主演作品をそれぞれ14本、計28本が上映された。芦川いづみ作品は殆ど観ているが、司葉子は、上映作品の中で『その場所に女ありて』という、1962年公開作品をDVDで購入して持っている。タバコも吸って、男勝りに仕事をこなす、今で言う“バリキャリ”のハシリを描いたような、都会的な作品で、司葉子のカッコいい魅力が詰まった東宝映画であった。
この素敵な映画祭の、素敵なチラシをついにゲット出来て何とも感激であるが、芦川いづみのチラシコレクションに加えて、大切に保管したいと思う。