ドラマ好きな僕は、毎クール殆どのドラマをチェックしている。まずは主要なドラマを全部録画するところから始めるが、1回目の放送を観て、面白いものは継続して、まあまあのものは時間がある時に軽く流し観、そしてイマイチなドラマは途中で録画しなくなるというのがいつものルーティンだ。
今回の秋ドラマも話題作が多いが、その中でまず気に入ったのが先日取り上げた『silent』チームによる期待のドラマ、『いちばんすきな花』。そして新たに2つのドラマを気に入ってしまった。それはテレ朝日曜日22時放送の『たとえあなたを忘れても』と、『セクシー田中さん』。
1) 『たとえあなたを忘れても』
これは僕の大好物となる切ないラブストーリー。派手さは全くないが、全編とても丁寧なキャラクター描写と、キレイな映像美で捉えられていてとても好きなタイプのドラマだ。最近で言えば、『silent』にも近い落ち着いた雰囲気がある。『ラブジェネ』などの脚本で知られる浅野妙子のオリジナル脚本作品としても注目だ。
夢を失い、生活苦に陥ってしまった音楽教室のピアノ講師の女性の美璃(堀田真由)と、記憶を失ってしまう“解離性健忘症”という記憶障害を抱えながらも、キッチンカーを運営し懸命に生きる青年の空(萩原利久)のラブストーリー。
記憶障害を持つ主人公を描いたドラマはこれまでにも数多くあるが、このテーマは何故かいつも惹かれてしまい、覚えていないことにより生まれる恋愛の切なさに大きなドラマ性があり、純粋に心を動かされてしまう。今回もまさに僕の好きなドラマ設定で、しかも僕は主演の堀田真由が結構好きなのでそもそも楽しみにしていたが、切ない彼女の表情がまた何とも可愛い!更に、僕のイチオシの若手女優、畑芽芽育も共演しているので最高のキャスティング!空を演じる萩原利久も今注目の若手俳優だが、前クールの『真夏のシンデレラ』で恋愛に不器用な青年を好演していたのが記憶に新しい。これからの展開がとても楽しみだ。
他には風間俊介、松井玲奈、岡田結実、檀れいなども共演しており、なかなか良いキャスティングである。
2)『セクシー田中さん』
木南晴夏も割と好きな女優なので楽しみにしていたが、タイトルから、ちょっとコミカル色が強いドラマなのかなと思いきや、意外にも実は女性の切実な悩みなどをしっかり描いたドラマになっていることに新鮮さを覚えた。そして木南晴夏演じる地味なOLが、夜は趣味であるセクシーなベリーダンサーに変身してしまう田中さんを演じており、このギャップがコミカルで楽しいし、木南晴夏の新境地としてなかなか面白い。
昼間は地味に仕事をストイックにこなし、特に恋したこともなく、淡々と毎日を過ごす。しかし、プライベートはまるで別人のように華麗なベリーダンスで自分を表現する。しかし、会社の人には知られたくない自分の姿だ。このような設定、実は多くの人が経験したことがあるのではないかと思われ、会社とプライベートの切り分けと、自分らしさをどこでどのように表現し、自分らしくいられるかは、実は幅広い共感を呼ぶテーマなのかもしれない。
主演の田中さんに加え、ダブル主演と言っても良いくらいの位置づけで登場するのがめるること生見愛瑠。田中さんと同じ会社に勤める派遣社員のあかりを好演している。好演と控えめに言ってしまったが、めるるはとにかく演技が上手い!意外にも(と言ったら失礼かもしれないが)上手いのだ。これまでにも『風間公親-教場0-』、『日曜の夜くらいは・・・』での演技に思わず感動してしまった。2021年に出演していたドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』ではさほどの上手さを感じなかったが、それからメキメキと演技力で頭角を現した感じだ。そして長い髪がトレードマークのめるるが、今回はボブで登場したことでもびっくり。でも、本当にばっさり切ったわけではなく、どうやらウィッグみたいだが、ボブのめるるもとても可愛くて、良く似合っているので、演技力に加え、めるるの新たな魅力を発見した思いだ。
物語はめるる演じるあかりの目線で語りながら、田中さんと関わっていく形で進行していくが、23歳の女性として、恋に仕事にもやもやしながら、これからどうやって進んでいこうか悩んでいるところで、ベリーダンスを踊る田中さんを見て、前に進めるよう背中を押して貰えた展開に。これからあかりがどう変わっていくのか、そして田中さんにもあかりと会うことで大きな心境の変化が出てくるのではないかと思われ、2人の関係性がどのようになっていくのかがを楽しみにしたい。
他にはRAMPAGEの川村壱馬、なえなの、高橋メアリージュン、安田顕など多彩な顔触れ。
まだチェックしていない他のドラマもあるが、まずは『いちばんすきな花』、『たとえあなたを忘れても』、『セクシー田中さん』の3本はこれから12月まで楽しみに鑑賞していきたい!