『海のはじまり』の後を受けて、10月から放送開始となった新たなフジ月9、『嘘解きレトリック』が地味ながら、なかなか面白いと思っている。漫画が原作だが、昭和初期の日本を舞台にしたミステリードラマというのもかなり異色だ。月9にこのドラマを持ってきて、しかも主人公に鈴鹿央士と松本穂香というコンビを持ってくるあたり、視聴率獲得という意味では、フジテレビもかなり冒険をしたものである。僕は2人とも割と好きな俳優たちなので、ある意味この意外性は高く評価しているのだが、ドラマの地味さも相まって一般的には大きな話題にはならないかもしれないが、まあ自分が面白ければそれでいいのだ(笑)。
第1話から見始めて、既に第3話まで放送された段階だが、全体的に地味な雰囲気が漂うものの、切り口としては相当変わっていて、むしろそれがいぶし銀な魅力を醸し出している。鈴木央士が演じるのは、祝左右馬という探偵の役で、松本穂香演じるのはその助手の浦部鹿乃子。言わば推理探偵ミステリーものなのだが、昭和初期という舞台から、かなり独特な“昭和レトロ感”が漂う。
鹿乃子は幼い頃から、人の“嘘“が見抜ける特殊能力を持つ少女。その力の為に、住んでいた村では恐れられて、村八分にされてしまうという辛い過去を持つ。しかし、奉公に出てきた町で新たな人生を送ろうとする鹿乃子であったが、ひょんなことからこの探偵事務所に住み込みの助手として働くことになり、その嘘が見抜ける力を活かしながら、左右馬と一緒に毎回事件を解決していくという物語展開だ。
このドラマで個人的に気に入っているのは主演の一人、松本穂香。以前、NHK朝ドラの『ひよっこ』で、青天目澄子という有村架純演じる主人公と同じ工場で働く同僚を演じていた松本穂香が当時すっかり気に入ってしまい、その超地味で、メガネっ子な風貌がダサ可愛くて好きだった。そして今回の鹿乃子を演じる松本穂香はまたもや超地味なメガネっ子役で、まさに“澄子の再降臨”とも言える全く同じ風貌なのには思わず感動してしまった(笑)。こんなマニアックな見方をしている人も少ないかもしれないが、この地味な松本穂香を毎週楽しみに見ている感じである。共演の鈴鹿央士は、一昨年の大ヒット感動ドラマ、『Silent』で目黒蓮の友人を演じて一躍有名になった若手俳優だが、なかなか爽やかなイケメンで、今回の役にも合っているように思う。
第4話となる次週の予告で、なんと片岡凛が登場することが明かされた!片岡凛と言えば、朝ドラ『虎に翼』の美佐江役で怪演を見せて話題になった、あの片岡凛である。片岡凛は日曜劇場の『海に眠るダイヤモンド』にも今後登場する予定だが、『嘘解きレトリック』にゲスト出演するとは知らなかったので、嬉しいサプライズであった。来週の放送を楽しみにしたい。