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NHK朝ドラ『おむすび』はなかなか面白いぞ!

『虎に翼』の後を受けて、10月から始まったばかりの新NHK朝ドラ『おむすび』。既に3週目まで終了した段階だが、ネットを見ると、結構厳しい批評が目立つ。しかし、僕は決して悪くないと思うし、確かに物語のテンポがやや遅い気がしないでもないが、橋本環奈の可愛らしさは充分発揮されているドラマではないかと思うので、毎日楽しみに見ている。史実に基づいた重めの朝ドラの後は、逆にこう言ったちょっとライトタッチな朝ドラがとても心地良かったりもするのだ。

物語の舞台は2004年。福岡県糸島で育った米田結は糸島東高校に入学して早々に4人のギャルに絡まれる。彼女たちは結に「ハギャレン」の総代になってほしいと頼む。結の姉の歩はハギャレンの初代総代だった。結は逃げ出すが、その後も4人は結につきまとう。だが、ハギャレンのメンバーが周囲から疎まれ、経済的にも苦労していると知った結は、「困っている人を放っておけない」とメンバーと友達になり、ムスビンと呼ばれることになる。結はハギャレンとしぶしぶ付き合いつつ、書道部に入部して充実した日々を送っていたが、ハギャレンメンバーの一人、タマッチにパラパラを覚えろと迫られる。父親の聖人からも外出を干渉され苛立つ中、ルーリーが深夜徘徊で交番に保護される事件が発生し結は交番に駆けつける。追ってきた結の母、愛子が引受け人になりルーリーは解放。ギャルの孤独を知った結はパラパラに取り組むのだった。結は、ギャルだった姉の存在を抱えながらも、ギャルたちとの友情を深めながら、“夢とは何か”を見つけながら前に進んでいく物語である。今後は色々な人との出会いやエピソードを重ねながら自分の夢を見つけ、栄養士を目指していくと思われるが、タイトル通り“おむすび”など栄養があって美味しいものが如何に幸せをもたらすかなども大きなテーマになっていくと思われるので、これ自体はとても楽しみである。

キャストも主役の橋本環奈を始め、母の麻生久美子、祖母の宮崎美子、ようやく今日から登場した姉の仲里依紗など、女優陣も充実。この他、父の北村有起哉、祖父の松平健、幼馴染み役で新顔の菅生新樹、福岡西高校野球部天才ピッチャー役の佐野勇斗、書道部憧れの先輩の松本怜生、スナックのママを演じる池畑慎之介など男優陣も多彩な顔ぶれ。菅生、佐野、松本の3人と橋本環奈の関係性が今後どうなるのかも大きな注目ポイントだ。

また、ハギャレンの4人(みりちゃむ、谷藤海咲、岡本夏美、田村芽実)もなかなか個々に魅力的だ。これから糸島に加えて、昔結が一家で住んでいた神戸も舞台になると思われ、またあの阪神・淡路大震災も大きな爪痕としてドラマの中で描かれていくものと思われるが、今後の展開が楽しみだ。

今回の『おむすび』は、オリジナルストーリーの朝ドラだが、史実に基づいた朝ドラに比べて、オリジナルストーリーで、しかも現代ドラマとなる場合にはそれなりにリスクがあるので心配、と良く書かれているのを目にする。また、開始早々ギャルがテーマになっているのもイマイチ入り込めないなどというコメントも見られるが、あくまでもギャルという外見などの先入観ではなく、人間の本質をどう捉えるかの大切さや、友情を描くための序章にて、個人的にはあまり気にならない。

確かにオリジナルストーリーだった『ちむどんどん』は、行き当たりばったりで、何が言いたいのか全くわからないドタバタ劇は、朝ドラ史上に残る悲惨さだったのは否めないし、この時のトラウマを視聴者もはっきり抱えていて、今回もそうならないかという危惧があるのもわからなくはない。これは全て脚本の出来映えで大きく変わる。今回原作・脚本を手掛ける根本ノンジは、NHKドラマ『正直不動産』なども手掛けているので定評はあると思う。オリジナルストーリー・脚本では僕の記憶に残るところでは、岡田義恵和の『ひよっこ』や、藤本有紀の『カムカムエブリバディ』などはかなり秀逸で素晴らしい傑作だったと思うので、オリジナル脚本・現代劇だからと言って悪いということは決してないのだ。

持論だが、むしろ史実に基づいた原作で、歴史上の人物を描く場合の方が大変ではないかと思ったりもする。オリジナル作品と違ってストーリーの自由度がかなり制限されるが故に、時代考察において色々なリスクが出てくる。何だか史実と違うだとか、逆に史実に忠実に描こうとするがあまりに唐突な展開を強いられたり、無理やり感が出たりもする。また、昭和を駆け抜けるような人物を描く場合には、必ず太平洋戦争などを経た暗い時期を描くのもお約束となるが、これも少々マンネリ化してしまうことにもなる。そして、むしろ主人公の晩年まで、その生涯を描くことになることがどうしても多い為、最後に色々と端折りながら詰め込み過ぎになって、結果、物語が薄っぺらくなってしまうケースが散見されるのだ。なかなか難しい。これも全て脚本の出来次第なのである。

僕が抱く朝ドラへの感想を色々と書いてしまったが、今後の展開次第ではあるものの、今のところ『おむすび』は決して悪くないドラマだと思うし、橋本環奈もさすがの演技とキュートさが発揮出来ているのではないかと思う。まだ始まったばかりでもあり、ぜひ暖かい目でこれからも見ていければと思っている。

コメント一覧

bluedeco1969
Yumiko さんへ
コメント、どうも有難うございます!またまた同じようにおむすびを楽しみにしている方がいて良かったです~。これからの展開も楽しみにしたいですね。
Yumiko
朝ドラ、視聴率とか内容がどうとか批判が多いなか、わたしも毎日楽しみているので、肯定的な気持ちのかたがいて嬉しいです。とっぴもない内容より、等身大と言うか、いろんなくだりをみていて笑ったり泣いたりほっこりしたり感動したりしながら、結ちゃんのこれからを応援してます。そんな人が増えたらいいなぁとおもいます。厳しい意見言う人、ほんと嫌だなぁ
bluedeco1969
佐伯豪 さんへ
コメント頂き、どうも有難うございます。おっしゃる通りですね。ちょっと視聴率が悪いだけで過剰にバッシングする傾向があるのは本当に良くないですよね。まあ、あまり偏った評判には振り回されず、自分が面白いと思えばそれでいいのかもしれません。今のところ、『おむすび』はそれなりに頑張っているとは思うのですが・・。
佐伯豪
ちむどんどん反省会と銘打った、ただ朝ドラに難癖をつけて鬱憤を晴らしたいネガティブな属性。残念なことにちむどんどんは本当に作品の質がたまたま低かったことが、彼らに間違った成功体験みたいなものを憶えさせてしまった、というのが現在の状況だと思います。脚光を浴びる朝ドラにひたすらネガティブな視線を向け難癖と揚げ足取りを繰り返す。視聴率がよさそうだとなれば知らんぷりして、視聴率が悪いとみればピラニアのように群がって言いたい放題。結局、憂さが晴らしたいだけでドラマを楽しむ気なんかないんでしょう
bluedeco1969
角谷恵さんへ
コメント頂き、どうもありがとうございます!共感頂けて嬉しいです。佐野君の名前表記、ご指摘頂き感謝です。修正しておきました。
角谷恵
朝ドラ批判する方の記事が多い中、
いい記事だとおもいます。私も“おむすび”は
楽しんで観ています。
折角のいい記事なので、佐野勇斗くんの名前の表記は
直しておいて欲しいです。
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