

会場は、渋谷HIKARIEのシアターオーブ。ここは初めて訪れたが、天井も高くてとても広々とした空間。何とも素敵な会場で舞台に気分が高まる。


上演時間はちょうど2時間。途中で休憩が20分入る。前半からホイットニー・ヒューストンのヒット曲が満載で大興奮のステージであった。


ホイットニーが演じた主人公レイチェル役は今回ダブルキャストだったが、19日はメインキャストのアレクサンドラ・バークが演じていた。ケビン・コスナー演じたボディガードのフランクを演じるのはブノワ・マレシャル。二人とも素晴らしいパフォーマンスを披露していた。


物語展開も原作の映画にとても忠実に出来ているが、シーンの切り替えなどはセット設計が見事で、全てが無駄無く、とてもスムーズであった。さすがはロンドンのミュージカル、クオリティーが高い。


僕は80年代にホイットニーのアルバムを良く聴いていたが、今を思えば映画『ボディガード』のサントラが人気のピークだったのかもしれない。サントラも当時良く聴いていたが、特に『Run To You』という曲がホイットニーの曲の中で一番好きな曲だ。この曲は映画の中でとても感動的なシーンで効果的に使われているバラードだが、その美しい旋律が心を強く打つ。映画が公開された1992年はまさに大学を卒業し、社会人になったばかりであったが、『Run To You』を聴くと、当時を鮮明に思い出してしまう、想い出深い曲だ。今回のミュージカルでも前半、後半それぞれで歌われていたのは嬉しかった。

他にもホイットニー往年の大ヒット曲『All at Once』、『Greatest Love of All』、『Saving All My Love For You』、『How will I Know』、『Queen Of The Night』、『I’m Every Woman』、『I Have Nothing』などが満載で、そして最後はもちろん『I Will Always Love You』で感動的に幕を下ろす。
ストーリー自体は至ってシンプルでベタなラブストーリーだが、このシンプルさこそがわかりやすくて、感情移入しやすい要因だ。

このミュージカルを観て、またホイットニーの曲が聴きたくなり、昔のベストアルバムを引っ張りだしてきた。久々に聴くと、どの曲もやはり素晴らしい。ミュージカルでレイチェルを演じたアレクサンドラも見事な歌唱力ではあったのだが、やはりホイットニーの歌唱力は一味も二味も別次元であり、唯一無二の存在であったことを改めて思い知らされた。
