まずは、その映像の素晴らしさ。キャラクターは意図的にアニメとわかるものになっており、これは逆に味があるのだが、まさにその他の背景や複雑な戦闘シーンのディテールは素晴らしく、迫力も満点である。CGを駆使している実写のスターウォーズと見間違ってしまうくらいの出来栄えで、アニメであることを感じさせないリアルは迫力である(逆に実写版でCGを駆使し過ぎてアニメに近くなっていると言った方が正しいのかもしれない)。アニメではあるが、映像、音響共に迫力があるので、映画館の大画面で見ることをお勧めしたい。
そして、スターウォーズの世界観、歴史考察に忠実な今回の物語設定。ちょうどSWのエピソードIIとIIIの間に起こったクローンウォーズに焦点を当てており、アナキン、オビワンはもちろんのこと、ヨーダ、R2-D2、C-3PO、ジャバ・ザ・ハットなどお馴染みのキャラも登場する。
先日アメリカの有名な雑誌、「WIRED」を買って読んでいたら、スターウォーズに関する記事があったが、スターウォーズの時代設定や世界観で辻褄が合わなくならないよう、一つのルールブックとして全ての関連商品を管理している専門担当者がいることがわかった。その男の名は、Leland Chee。スターウォーズマニアにすれば鼻血が出るくらい素晴らしい夢の仕事だが、毎月世界中で発売されるライセンス商品、関連出発物などを全て管理することは決して簡単では無い。管理する目的はもちろんIP (知的所有権)を保護もあるのだが、スターウォーズの世界観、関係性、継続性を保つ為にルーカス公認の組織として、このような秩序を保つ仕組みは不可欠なのであろう。また、スターウォーズには「Wookieepedia」という、スターウォーズ専門の用語辞典/Wikiデータベースが存在するが、これはルーカスフィルムが管理しているのでは無く、熱狂的なコアファン団体が管理・運営しているのである。つまり、ファンの手でスターウォーズは常に息付いているのである。
ちょっと脱線してしまったが、今回クローンウォーズに登場するキャラで面白いのが、ジャバの従兄弟とジャバの可愛い子供が登場することである。そして、公開前から大いに期待していたのが、新しい女性キャラであるアソーカ・タノ。アナキンに仕えるジェダイのパダワン(ジェダイの見習い)なのだが、自分はもう立派なジェダイ騎士だと思い込んでいる勝ち気で少々生意気なキャラとして登場する。このアソーカの性格付けがなかなか魅力的で、エピソードIIIには登場しなかったのが残念なくらいである。アソーカ・タノという名前も日本語(あっ、そーか、田野?)みたいで結構面白い。名前の由来に関する真相は定かでは無いのだが、あのヨーダがAvexの会長である依田氏から来ていることを考えると、まんざらありえない話では無いのだ。
ストーリーは、クローンウォーズにおけるアナキンとアソーカの大活躍が描かれているのだが、帝国軍に誘拐されたジャバの子供を救出する話となっている。アナキンが産まれたSWシリーズではお馴染みの砂漠の星Tatooineも登場し、ファンには嬉しい設定である。アナキンはやがてダークサイドに落ちていくのだが、このクローンウォーズではその暗い側面はまだ見えておらず、むしろクローンウォーズで大活躍したヒーローとして描かれている。
今年秋にはTV番組として新たにクローンウォーズにまつわる番組がスタートするらしい。いつ日本で見れるのか不明だが、これも楽しみである。エピソードIIIで一応映画としては完結したとされているスターウォーズシリーズだが、アニメの世界では、これからもスターウォーズの世界が続いていくことであろう。ファンとしてはこれからも楽しみである。
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