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ドキュメンタリー『ブルース・リーが世界を変えた』

今年5月に発売されていたDVD、『ブルース・リー/チェンジ・ザ・ワールド』を購入した。これは元々米国のケーブルTVチャンネルである”The History Channel”で放映された番組を東北新社が日本でDVD化して発売したものだが、なかなか良く纏まっているブルース・リーのドキュメンタリー作品だ。今年、ブルース・リー死後70周年。つまりもし生きていたら70歳ということである。この記念すべき節目の年に記念盤として発売された。



内容は幾つかのテーマに沿って、ブルース・リーの、短くも驚異的な輝きを放った32年の人生を、映画、武道、思想、生き様そのものを通して、如何に世界にインパクトを与え、変えていったかを掘り下げたものとなっている。ブルース・リーが活躍した60年代、70年代は世界でのアジア人の地位はまだ低く、欧米の映画に登場するアジア人は仕様人、コック、悪人等の下等な役柄ばかりであった。ましてやアジア人のヒーローなどはありえなかったが、ブルース・リーによって初めて”セクシーでカッコいい”と思えるアジア人が登場したことは歴史上あまりにも画期的な出来事であった。ブルース・リーの活躍は、中国人やアジア人のステイタスを押し上げただけでなく、黒人などを含めマイノリティー全てに大きな勇気を与えたのだ。その意味では、映画の力を利用して、ブルース・リーはキング牧師が黒人にもたらした変革をアジア人に対して世界で成し遂げた面もあると言える。そして、彼の”本物”のアクションは、世界中を魅了し、映画、武道、哲学、文化等に多大な影響を与え、今も息づいているのだ。



DVDは多くの著名人のインタビューと、ブルース・リーの主演映画からのシーン、TV主演映像などから構成されているが、インタビューで登場する人々も実に多彩だ。ラッパーのLL Cool J、元ボクシング世界チャンピオンのシュガー・レイ・レナード、映画監督のクエンティン・タランティーノ、ジョン・ウー、ジャッキー・チェン、先日『イップマン』でも紹介したドニー・イエン、等など豪華な顔ぶれだ。





そして個人的に感動したのが、ブルース・リーの愛娘であるシャノン・リーが、あのブルース・リーの育ての親でもあるゴールデン・ハーベスト社会長のレイモンド・チョウにインタビューしているシーン。レイモンド・チョウと言えば、ブルース・リー、そしてジャッキー・チェンもプロデュースした香港映画界には欠かせない存在だが、今はもう80歳。既に第一線は退いているようだが、未だ昔と変わらない元気な姿をDVDでは見せている。



そして、シャノンは、昔家族で住んでいた香港の家を訪れるシーンも納められているのも見逃せない。ブルース・リーの娘であるシャノン・リーは、ブランドン・リー亡き後、ブルース・リーの血をひく唯一の人物。お父さん譲りの鋭い眼光を持っているが、ブルース・リーの妻であったリンダ・リーと共に、いつかぜひお会いしてみたいものである。




このDVDを見ると、ブルース・リーが単なるアクション映画俳優では無く、如何に世界の様々な領域に多大なる影響を及ぼしたかが実感出来る内容となっており、改めて彼の偉大さがわかる作品となっている。ブルース・リーファンも、またそうでない方にもお薦めの内容である。

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