最初のヤマトのTVアニメは1974年に放映されたが、最初の放送ではヒットせず、再放送や劇場版が公開された70年代後半から80年代前半に一大ブームを巻き起こしたことは有名な話。僕は小学生から中学生にかけて、まさにヤマト人気の絶頂をリアルタイムで経験している『ヤマト世代』だが、往年のファンにとってはこの実写版の登場は期待と不安が入り乱れた感覚で迎えたことだろう。
まず、映画を見た感想だが、大満足な部分と、やや残念だった要素と大きく2つあった。まずは満足ャCントだが、映画全体としてはVFX/CGのクオリティーはなかなか見事で、日本のSF映画もようやくここまで来たかと思いながら感慨深いものがあった。ストーリーもオリジナルにかなり忠実であり、ファンには嬉しいャCント。またあのヤマトの懐かしい音楽/BGMも健在であったのは嬉しい限りだ。
配役はまずまず。古代進が木村拓哉というのは、最初若干違和感を感じたが、実際に映画を見てみると、そう悪くなかった。しかし、やはりどうしてもキムタクの為のカッコつけ映画になってしまっている面はあって、古代進を演じているというよりは、”キムタク映画”になってしまっているところはやや残念。個人的に古代進役には、もう少しジェントルマン的な雰囲気を期待していたが、例えば福山雅治とか、水嶋ヒロ辺りの方がはまっていたかもしれない。
そしてやはり一番納得がいかなかったのが、森雪役の黒木メイサである。黒木メイサは決して嫌いでは無いのだが、本来森雪は、芯が強くも優しい、もの静かなイメージ。黒木メイサの演じる森雪はやや男っぽい、強く筋肉質なイメージであった為、少し違うように思えた。森雪の役は、当初あのお騒がせ女優の沢尻エリカが有力だったが、最終的に黒木メイサとなったことは既に知られているのだが、駐煬去q辺りか、或いはアニメの森雪のようにもう少し線の細い感じの長身で髪の長い女優(例えば”森雪”ならぬ、”小雪”とか)なら良かったのでは無いかとも思う。
古代進と森雪以外の配役はなかなか絶妙だったと感じた。まずは沖田艦長役の山崎努はかなり完璧。また島大介役の緒方直人、真田志郎役の柳葉敏郎、徳川彦左衛門役の西田敏行は素晴らしかった。佐渡先生はオリジナルのオヤジでは無く、今回女性に設定変更し、高島礼子を持ってきたところはかなりチャレンジングであったが、これは割り切ればまずまずの変更であったと言えよう。
あと、最大の問題は敵であるガミラスと、デスラー総統の設定。ガミラスの戦艦や宇宙船などがあまりにもエイリアン的な未来的デザインで、オリジナルからはかけ離れてしまった。よって、逆に宇宙戦艦ヤマト自体のメカが陳腐に見えてしまったのは残念である。今回デスラーもプレデターみたいな存在になってしまっており、敵だけ最新技術が導入されている点で違和感があった。
そもそも、宇宙戦艦ヤマトは、70-80年代に作られたアニメである為、当時は物語の設定やメカなど、かなり未来感のある、斬新なイメージであったが、その後様々な宇宙/SFものによって世界観が磨かれ、みな目が肥えてきていることを考えると、ヤマトの詳細設定にはやや陳腐になってしまっている感覚を覚えた。特にあの有名な”波動砲”も、この時代”ガチャン!”とピストン的な仕鰍ッで打つのも少し古い感覚がある。よって、どうせやるなら、あの味のある、昔のヤマトを完璧なまでに再現する為、敵のガミラス艦隊や、青く顔色の悪いデスラー総統もアバターみたいな青い顔の男にして、デスラーの声を担当していた伊武雅刀あたりに登場して貰いたかったところだ。
ヤマトの主題歌を担当するのは、エアロスミスのスティーブ・タイラー。だからというのもあるが、どうも熱いドラマが展開されることからも、あの『アルマゲドン』をだぶらせてしまう印象が強い。しかし、残念ながら純粋な映画の質という面では、『アルマゲドン』に軍配が上がるだろう。
オリジナルヤマトの大ファンなので、今回敢えてかなり辛口のコメントになったが、色々と差し引いても、ヤマトの実写化にチャレンジしたということでヤマトに新しい命を吹き込んだことは間違いない。そして、これをきっかけにオリジナルヤマトを知らない新しい世代にもヤマトを広め、昔のヤマトのDVDでも見てみたいと思うきっかけになれば素晴らしいと思う。
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