突然、僕の大好きなジョージの名盤、『Cloud Nine』をまた聴きたくなって、
最近頻繁に通勤途中に聴いている。
このアルバムは、1987年に発表された作品で、
世界中でシングル『Got My Mind Set On You』が大ヒット。
日本でも、最も売れたジョージのシングルとして知られている。
ちょうど僕は、このアルバムが大ヒットした時は、NYの高校生だったが、
妙にこのアルバムに当時ハマってしまったのを今でも良く覚えている。
そして、何と言っても、その“ちょい悪オヤジ”的なジャケット写真が
なかなかインパクトがあってカッコいいのだ。
『Cloud Nine』は、ジョージ特有の泣きのギターと彼らしいメロディーなど、
往年のビートルズファンにもたまらない作品だが、
ビートルズにあまり馴染みがない人
(そんな人はあまりいないと思うが笑)にも、かなり楽しめる。
新旧のサウンドがミックスされ、ある意味時代を超越した独特な
音楽世界が繰り広げられ、とても耳に心地良い。
うまく説明出来ないが、ジョージ本来の“らしさ”が、
80年代風に違和感無く味付けされているという感覚で、
ジョージ・ハリスンの健在ぶりを痛感したアルバムであった。
アルバムのどの曲もかなりの粒揃いだが、泣きのギターから始まり、
怪しげなジョージハリスンの世界にいきなり引きずり込まれる
オープニングの『Cloud Nine』、爽やか過ぎるサウンドが
頭の中を駆け巡る『That's What it Takes』、
コミカルなテイストが絶妙な『Fish on the Sand』、
極上のバラード『Just for today』と『Someplace Else』、
如何にもビートルズサウンドで、且つビートルズ時代のこと歌った
オマージュ的な作品『When we was Fab』、
ジョージらしい軽快なャbプ『Devil's Radio』、そして、
殆ど繰り返しの歌詞で曲が埋め尽くされる(笑)、
最高にいい加減な植木等的傑作シングル
『Got my Mind Set on You』と、甲乙付けがたい作品が並ぶ。
更におまけとして、後年リマスターした際に追加収録されたシングル、
『Shanghai Surprise』もアジアンテイストで、良い出来映えだ。
これは興行的には大コケであったショーンペンと
マドンナ主演の同名映画の主題歌である。
このアルバムを聴いていたら、むしょうに他の
ジョージ・ハリスンアルバムが聴きたくなり、
彼の最高傑作とされている1970年リリースのアルバム
『All Things Must Pass』をiTunesでダウンロードした。
このアルバムは、発表当時LPレコード3枚組と言う、
当時にしては画期的な大作であった。
ジョンレノン、メ[ルマッカートニーの影にやや隠れて、
ストレスが溜まっていたジョージが、ビートルズ解散後、
その書き溜めた作品を一気にソロとして放出したと言われている作品だ。
改めてこの1970年リリースのアルバムを聴いて感じたのは、
あまり古さを感じないことだ。しかもジョージの最高傑作で、
ロックアルバムの一つの金字塔として評価されているだけの
魅力がある作品だと改めて感じる。
『I'd Have You Anytime』は泣きのギターが何とも
美しい旋律を奏でる切ない作品。
遠い記憶を呼び覚ますかのような曲だ。
ジョージのシングルの中でも一番有名な『My Sweet Lord』は
神様への気持ちをシンプルに歌った作品だが、
変に宗教がかり過ぎていないストレートなメッセージが素晴らしい。
『Wah-Wah』はビートルズの『サージェントペッパー・・』に収録
されていても違和感のない作品。『What is Life』もヒットシングルだが、
明るいビートルズ的な作品。『Let it Down』はスケール感に
満ちた名曲バラードで、サビの切なさは『I’d Have you Anytime』に通ずる。
個人的には、これまたビートルズ的な
『Awaiting On You All』が気に入っている。
『Art of Dying』はドラマチックに展開する曲だが、
一部で、ジョージがビートルズで作曲した
『While My Guitar Gently Weeps』にも通じるメロディーが伺える。
ビートルズのメンバーの中で、僕は結構ジョージが好きだ。
どうしてもメ[ルとジョンが中心的に語られがちだが、
ジョージのメロディーメイキングも繊細で素晴らしいものが有り、
ビートルズ解散後のソロ活動での活躍ぶりは、
ジョンやメ[ルに全く引けを取らないと言える。
また、様々な音楽ジャンルの取り込みを
精力的に行ったという意味では、音楽業界に残した功績も
大きい、偉大なミュージシャンである。
ビートルズでの彼の曲は、『Here Comes The Sun』、
『Something』、『While My Guitar Gently Weeps』などが有名だが、
その曲風は“ビートルズ曲”として違和感無くメ[ルやジョンの曲にも
マッチ/ブレンドしていたが、一方でジョージ特有のカラーも見逃せない。
ソロになった後は、逆に如何にもビートルズ風と思える曲も有り、
彼のソロ作品も色々な楽しみ方があるということを改めて感じた。
また、2011年に公開されたマーティン・スコセッシ監督による
ジョージのドキュメンタリー映画『Living in a Material World』が
とても見たくなってきた。
何だか、今度はメ[ルマッカートニーのソロ曲も聴きたくなってきた。
そして最後はやっぱりビートルズに回帰するのだろうか。
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