岩井俊二監督の『Love Letter』がある。
あまりにもこの映画が好きでDVDも持っているが、
今回のアメリカ出張時にたまたま
機内でやっていたので、
ついまた見てしまった。
北海道小樽の美しい景色を舞台にした
切ないラブストーリーだが、
これほどまでに静かで、美しくて、
心に染み渡る映画はあまり
他に無いのではないかと思う。
フィアンセである藤井樹を
山の遭難事故で亡くした渡辺博子が、
藤井樹の実家で見つけた高校時代の
藤井樹の住所に一通の手紙を
送ることから物語は始まる。
当然、亡くなった藤井樹に手紙が届くわけはない。
博子は天国への手紙のつもりで送るが、
なんと藤井樹から返事が返ってきてしまうのだ。
高校当時、同名別姓の、
女性の藤井樹がいたと言う設定だが、
このありえそうで実はあまりありえない出来事が、
感動的な奇跡を引き起こし、
高校時代の二人の物語の扉が開かれていく。
中山美穂が、渡辺博子と女性の
藤井樹の二役を演じるが、
性格の違いを絶妙に演じ分けている。
高校時代の藤井樹には柏原崇、
少女時代の藤井樹は酒井美紀が演じており、
また亡くなった藤井樹の友人で、
渡辺博子に恋心を抱く秋葉役を
豊川悦司が演じている。
この映画の最も感動的なシーンが、
渡辺博子が、藤井樹が亡くなった雪山に向かって、
"お元気ですかー。私は元気ですー"と叫ぶシーン。
邦画史上に輝く名シーンだろう。
本作は公開された1995年当時大ヒットし、
日本アカデミー賞を始め、各種映画賞を総なめにした。
中山美穂を始め、出演陣も高い評価を得て、
監督の岩井俊二も、この映画で一躍
有名監督の仲間入りを果たした。
また、特筆すべきことに、
1999年には韓国でこの映画が公開されて大ヒット。
それまで日本映画の韓国での公開は禁止されていたが、
この映画の大ヒットで、一大ブームを巻き起こしたのだ。
特に渡辺博子が雪山に向かって叫ぶ、"お元気ですかー。
私は元気ですー!"は韓国でも流行語に
なったと言うから驚きだ。また、この映画の公開を気に、
多くの韓国人が小樽を訪れたらしい。
この映画が韓国の映画、ドラマに与えた影響は大きく、
時代を超えて交錯する物語設定や、美しい北海道の
雪景色などを舞台にした切ないラブストーリーは、
その後ドラマ『冬のソナタ』や、『ラブレイン』、
映画『ラブストーリー』などに大きな影響を与えている。
この映画で忘れてはならないのが音楽だ。
バックで流れる音楽はあまりにも静かで美しく、
映画の感動をゆっくりと深く盛り上げると同時に、
独特な世界観を作り上げている。Remediosが
音楽を手鰍ッているのだが、僕はこの映画での
美しい曲に完全に取りつかれ、CDを当時即購入。
その後も本木雅弘と鶴田真由主演の
ドラマ『君と出逢ってから』でもサントラを手鰍ッ、
こちらも気に入って即買いしてしまった。
今回、随分久しぶりに、
機内でまた『Love Letter』を見ることになったが、
感動は全く色褪せていなかった。
またこのような感動的な岩井俊二の映画を
ぜひ見たいと改めて感じた。
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