

高根森林公園は、川崎市では生田緑地に次ぐ大自然エリア。手付かずの森林が残っていて、今は公園として見事に整備されており、市民の憩いの場所となっているのだ。遺跡の跡もある。生田緑地は、枡形山城があった場所だったこともあり、同じように高根森林公園も何か城跡だったのではないかと密かに思っていたところ、色々と調べてみると、このエリアに『作延城』というお城があったことがわかったのだ。高根森林公園もお城の一部だったと思うが、メインエリアは隣の緑が丘霊園だというので、今回きなこを連れて、初めて訪れてみることに。



高根森林公園の駐車場に車を停め、歩いて国道沿いを左に歩いて行く。この国道も江戸時代には江戸に向かう多くの旅人が通ってきた道だろう。5分ほど歩くと緑が丘霊園に通じる細い道がある。車での通り抜け禁止と書いてあるが、軽自動車が何とか通れるくらいの道幅だ。ここを暫く進んで行くと、緑が丘霊園に出る。とても広大な敷地で、恐らく高根森林公園も含めると、生田緑地に匹敵する自然エリアだ。



右側を進んで行くと、作延城の石碑がある。ここに作延城の歴史に触れる説明看板がある。この作延城は、枡形山城と同じく、稲尾氏の支城として機能していたらしい。ちょうど多摩川と鶴見川に挟まれた高地であったこのエリアには、枡形山城、小沢城などと並んで、とても歴史的に興味深いエリアだと言える。




『作延城』ははっきりとした遺構らしき場所があまり残っていないのがとても残念だが、僅かな遺構らしきエリアを見ながら、勝手に妄想が膨らむ。まずは霊園全体が比較的高地にあり、城として好立地であることを感じさせるエリアだ。今は霊園として整備されているものの、園内に生えている古い木々はかなりの年輪を重ねていると思われ、『作延城』があった頃からあったのではないかと思わせる。



また園内にはかなり深い、巨大な“堀切”みたいなエリアもあって、遺構のような気がしてくる。また、園内の一部には昔堀だったような場所もある。


霊園の西側には、『作延城』の門であったかと思わせるような場所も有り、石垣の一部だったような石なども残っていた。




こんな遺構も少ない『作延城』だが、当時の思いを馳せながら散策するのも結構楽しいし、純粋に広大な自然が残される緑が丘霊園や高根森林公園を、きなこと散策するだけでも気持ちのいい場所である。また時々きなこの散歩で訪れてみたい。
