ゴールデンウィーク中盤、前から行ってみようと思っていた調布に出かけることにした。
なぜ調布かというと、調布には日活の調布撮影所があり、最盛期は石原裕次郎を始め、多くの日活俳優がここ調布を頻繁に訪れていたのだ。いつか日活撮影所を訪れてみたいと思って色々と調べてみたところ、実は撮影所の近くには幾つか特筆すべき、石原裕次郎ゆかりの場所があるということで、今回まとめて訪問することにしたのだ。
調布は自宅から車で35分程度なので意外にも結構近い。多摩川を渡ればすぐという感じだ。5月2日(木)は朝早く愛車Z3で出かけ、まずは調布駅近くのコインパーキングに車を駐車し、調布駅の珈琲館でモーニングを食べて腹ごしらえ。
調布は元々日活撮影所に加えて、大映撮影所もある為、映画の街として賑わっていたエリアだ。この輝かしい歴史をまた取り戻そうと、調布駅には映画の街をアピールする看板や展示が幾つかあり、まずは今回それをチェックすることにした。まずすぐ目に付くのが、駅の南ロータリーにある大きな映画の街の案内板。調布エリアの映画ゆかりの場所などを紹介している。住人は駅へと足早に歩いていくので、この案内板で立ち止まるような人はあまりいないが、僕はすっかり観光客の気分である。
そして前から行きたいと思っていたのが、京王調布駅東口改札近くにある日活スター64名の手形モニュメントだ。これも地下の駅入り口近くにあるので、立ち止まって見ているような人はいなかったが、今回人の流れを気にしながら、少し時間をかけてチェックした。僕の大好きな石原裕次郎、そして芦川いづみの手形を確認。裕次郎は手もなかなか大きい。芦川いづみは手もやっぱり可愛い(笑)。
他にも吉永小百合、小林旭、和泉雅子、浅丘ルリ子など往年の日活スターたちの手形も一同に集まっていて、何ともワクワクする展示だ。前から気になっていたが、やっとこれを見ることが出来た。
続いて向かったのが、石原裕次郎が生前愛したあんぱんを今でも変わらず売っている“ブランジェリーアノー”。石原プロ公認の“すいーとあんぱん裕次郎”としてお店で販売しているのだが、ピンクのパッケージが可愛い。これは裕次郎ファンとしてはたまらないし、調布土産としても最高である。今回は3個入りのボックスを購入した。
次にいよいよ日活調布撮影所へと向かった。ブランジェリーアノーから車で5分くらいの距離で、多摩川沿いにある。一般の人は中に入れないので、外観から見るだけなのだが、入り口には6月に発売される吉永小百合の65周年記念写真集とブルーレイの宣伝ポスターがあり、今でも日活スターのアクティビティーが確認出来るのは本当に嬉しい限りである。
また、ここ日活撮影所にあの芦川いづみや吉永小百合も当時通っていたと思っただけで、心が熱くなってしまった。
近くにあるもう一つの撮影所である“角川大映スタジオ“にも立ち寄った。入り口には変身前と変身後の大魔神の巨大な銅像が立っていてインパクト大(笑)。そしてスタジオの壁面にもガメラの絵が描かれていた。やっぱり大映と言えば、“大魔神”と“ガメラ”が2大看板だった黄金時代の印象が強いが、今は角川の傘下となっている。スタジオは今でも多くのスタッフの出入りがあり、撮影所として活気があった。
入り口に小さなショップもあって、ガメラや大映作品グッズが少し売られていたが、日活撮影所もぜひこういうショップを作って欲しいものである。
角川大映スタジオのすぐそばには、調布映画発祥の地としての記念碑である“映画俳優之碑“があり、多くの俳優の名前が刻まれていた。石原裕次郎の名前も確認出来る。
裕次郎の調布ツアーの締めくくりは、裕次郎を始め多くの映画スターが撮影の合間に通ったという、うなぎの名店“竹乃家”。場所は日活撮影所、角川大映スタジオからもほど近い住宅街にあり、老舗の佇まいが何とも素晴らしい。
店内には大きな部屋や個室なども幾つかあり、外から見るよりもかなり中は広々としている。
入り口には、日活のカレンダーが飾られており、石原裕次郎と北原三枝の姿が。恐らく今でも日活撮影所のスタッフなどが訪れているのではないかと思われ、カレンダーも提供されているのだろうと思うが、このカレンダー僕も欲しい!と思ってしまった(笑)。また、先日アカデミー賞を受賞した『ゴジラ -1.0』の山崎貴監督も来店しているらしく、受賞へのお祝いコメントが入り口、そして店内の壁に貼られていた。また、日活のカレンダーの下に山崎監督のサインも飾られていたが、どうやら2016年にサインしたものらしい。
裕次郎も良く通ったという竹乃家さんのうなぎをランチに注文したが、秘伝のタレも美味しく、うなぎも柔らかくて最高に美味しかった。裕次郎が食べたうなぎというのもあって、何だか美味しさも1.5倍になったような気がした(笑)。もしかすると芦川いづみも来ていたかもしれない。
竹乃家を出た後気が付いたのだが、ちょうどお店の向いのビルにはゴジラのSFXも手掛けた“白組“のスタジオも入っていた。さすが映画の街、調布である。
意外にも今回初めて調布をまともに訪れたが、調布駅周辺も含めてとても住みやすそうな街だと感じた。その上、映画の街としての復興を掲げているので、これからまた調布が更に盛り上がるかもしれず、とても魅力的な街であった。石原裕次郎ゆかりの地として、幼少期を過ごした北海道・小樽、青年期を過ごした葉山・湘南、お墓のある鶴見など色々とあり、僕も各地を訪れているが、自宅からこんなにも近い調布にも裕次郎ゆかりの場所が幾つかあったことは大きな発見であった。また機会を見つけて裕次郎あんぱんを買いに訪れたいと思う。