このシリーズも最近ちょっとご無沙汰してしまっていたが、ようやく今年2作目の“まだ見ぬ”芦川いづみ出演映画を観賞したので紹介したい。
今回観賞したのは、1966年の日活映画、『風車のある街』である。これは吉永小百合と浜田光夫主演作品だが、芦川いづみも出演しており、しかもスチュワーデス(今で言うCA(キャビンアテンダント))の役なのでこれまた最高に美しい芦川いづみが楽しめる作品であった。
この映画はDVD化されていないのでなかなか観れないでいたが、Amazon Prime Videoで観ることが出来ることがわかり、ついに念願が叶い、観賞することが出来た。実は今月24日に池袋の新文芸坐で、吉永小百合の映画女優デビュー65周年記念イベントとして特別上映会が開催される予定で、『潮騒』とこの『風車のある街』が上映され、吉永小百合のトークショーがある予定なのだが、残念ながらこのプレミアムチケットを入手できなかった(涙)。そこで、前から観たいと思っていた『風車のある街』だけでもなんとか観たいと思い、ついにAmazon Prime Videoに手を出してしまったというわけである。ちなみに、6月に発売される65周年記念写真集は既に予約済だ。
1966年に公開された『風車のある街』は、芦川いづみ引退の2年前に公開された映画なので、かなりキャリア晩年の作品だ。前回紹介した『夜のバラを消せ』と同じ年、一つ前に公開された作品である。最近は1966年頃の晩年の作品を多く観ているのだが、この時期の作品は芦川いづみが主演級ではなく、残念ながら脇役での出演なので、黄金期から比べると出演シーンも少なめなのが痛い。しかし、晩年の芦川いづみは本当に美しい大人の女性としての魅力が溢れており、ファンとしてはそれなりに見応えはある。
物語としては、ある程度最初から展開の予想が付くし、物語自体は比較的ありきたりなので特別大きなひねりも無いが、ストーリーは次ぎの通り。簡単に言ってしまえば、2人が長崎で出会い、東京で好きになり、そして最後はオランダで結ばれるというラブロマンスドラマである。
三浦まり子(吉永小百合)は、大好きなおばあちゃんと長崎旅行の途中列車内で石倉(浜田光夫)という不思議な男と知り合う。まり子は大学の保育科を出て保母になるが、夏川という堅実な仕事の恋人と、結婚を前提としてつきあうことになる。だが石倉が再度現れ、オランダのデルフト工科大学で干拓を学んで東京湾を干拓したいと言う。まり子の論文が西ドイツのミュンヘンで開かれる保育学会で採用され、保育学会に出席したまり子はオランダへ足を伸ばして石倉と再会する。だが夏川も仕事でベルギーのブリュッセルへ行っており、まり子に会いに来る。自分が孤児院育ちだと打ち明けた石倉とまり子の間に愛の確認がなされるが、帰宅すると夏川が来ていて、石倉は怒って帰ってしまう。まり子は日本に帰国する日も、どうしても石倉のことが忘れられず、おばあちゃんが手紙でくれた言葉を思い出し、ついに夏川に別れを告げ、オランダに残るべく石倉のもとへと走る・・・・。
この作品は長崎、オランダロケを敢行した大作で、数多くある吉永小百合と浜田光夫共演作の一つ。オランダロケをやっているだけあって、かなりスケールもあり、オランダ観光映画としても楽しめるのが見どころ。特に当時はまだまだ海外旅行が一般的ではなかった時代なので、とても夢のある作品だったことも想像が付く。
この映画での吉永小百合の元気なキュートさがさく裂しており、まさに旬な吉永小百合が満喫出来る作品なので、サユリストにはたまらないだろう。
芦川いづみは主演の2人に次ぐ3番手の位置づけで、まり子の大学の先輩で、オランダKLM航空のCAという役どころ。それにしても彼女のCA姿は良く似合うし、実に美しい~。こんなCA、まさに僕の理想である!幾つか違ったパターンの服も披露しており、どれも美しい芦川いづみが楽しめる。
観終わった総括として、映画のプロットそのものは特段凝ったものではなく、シンプルでわかりやすいラブロマンス作品だが、オランダロケによる見事なスケール感と、オランダの美しさを楽しめる映画としては一見の価値あり。そして吉永小百合ファンのみならず、芦川いづみファンとしても、1966年の出演映画の中では彼女の登場シーンが比較的多く、円熟味が増した美しい芦川いづみが満喫出来る作品としてとても印象に残った。芦川いづみは出演作の中で、婦人警官、メガネ女子、ナース、クラブのママ、女任侠、尼さん、シスターなど多くのコスプレを披露しているが、このCA姿も格別であった。
Amazon Prime Videoには、まだDVD化されていない芦川いづみ出演作が幾つかあるので、これからも少しずつ観て行きたい。そして『風車のある街』も早くDVD化されることを願いたいものである。