僕はR&B、ヒップホップが昔から大好きなことは、ジャネール・モネイのブログでも少し触れた通り。ただ、正直、偏見だとは思うが、日本人が歌うR&BをどこかでR&Bと認めていない自分がいた。
なかなか本場を凌駕するようなR&Bアーティストはそう簡単に日本で現れるわけもなく、先駆者的な久保田利伸や、一世を風靡して大ヒットした宇多田ヒカルも歌手、アーティストとしては素晴らしいのだが、純粋にR&Bに分類するのは若干の抵抗感があり、自分の中ではャbプスに近いという整理を無意識にしてしまっていたのかもしれない。前置きがかなり長くなってしまったが、そんな捉え方をしていた僕も今回SIRUPを聴いて、これまでの考えが一気に覆ってしまった。
まずはその艶やかなボーカルはなかなか見事な心地良さをもたらす。しかもボーカルが変幻自在で高度なテクニック、或いは才能を見せつけてくれる。これに鰍ッ合わされる、五感を刺激するグルーヴィーでオシャレな都会的なサウンドと、個性的な歌詞の世界観でリスナーを魅了していく。
SIRUPは、スティービー・ワンダーやアリシア・キーズに多大な影響を受けたらしく、彼のR&Bのルーツとなっているらしい。そう言う意味では本流のアーティストからしっかり吸収してきた上での、新世代のR&Bアーティストなのだ。
これまで高い評価を得た2枚のEPリリースを経て、ついに今年の5月に待望のファーストアルバム『FEEL GOOD』がリリースされた。収録されているのは下記12曲。
1) Pool
2) Do Well
3) Why
4) Rain
5) Evergreen
6) Slow Dance (feat. BIM)
7) Synapse
8) Crazy
9) Prayer
10) Swim
11) Play (feat. TENDRE)
12) Loop
まず、このアルバムが”Pool”で始まり、”Loop”で終わっていて、まさに”ループ”している仕鰍ッもなかなかオシャレ。各曲にとても大人っぽい上質なグルーヴ感が漂っていて、日本語の歌詞も英語と混ざりながらボーカルがグルーヴに溶け込み、なんとも聴き心地が良い。
このファーストアルバムは、これまでのEPに収録されている曲が半分くらい収録されているので、EPのベスト版とも言える内容。2曲目の『Do Well』はHondaのCMに使われているので聴いたことがある人も多いと思う。4曲目の『Rain』は哀愁漂う美しいミディアムテンモフダンスナンバーで、かなり好きな曲。6曲目の『Slow Dance』は、あの僕の好きなBabyface的大人バラード。また、7曲目の『Synapse』はシングル曲だか、さすがのハイセンス、ハイクオリティ。またラストの曲『Loop』も素晴らしい曲で、歌詞も含め、アルバムの中で一番気に入っている曲だ。
シングル曲も素晴らしいのだが、このアルバムはどちらかといえば、アルバム全体を一つの作品としてその”統一感”を楽しむべきかもしれない。世界観はSuchmosにも似たものがあるが、Suchmosをより都会的に洗練させた印象。カフェのBGMにしても似合いそうだし、各曲の歌詞を楽しみながら、夜な夜なじっくり一人で聴き込むのもオススメの1枚だ。
このアルバムを聴いた感想として、”和製R&B”の新しい形、新しい可能性を強く感じたこと。これまでの僕の和製R&Bに対する偏見を変えてくれたアルバムとなった。これからSIRUP の益々の活躍が楽しみである。
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