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芦川いづみ、『完全な遊戯』をついに鑑賞!

芦川いづみが主演した映画は100本以上あるが、その内40本くらいは既に鑑賞しており、主要な作品は殆どDVDで持っているのだが、本数で言うとまだ観ていない作品も多く、残念ながらまだDVD化されていない作品も多い。そんな中、また新たな作品をDVDで入手し、初めて鑑賞した。




それは1958年に公開された日活の『完全な遊戯』。原作は、石原慎太郎の短編小説。映画は、小説とはかなり内容が異なっているが、主演は小林旭。



この映画、当時の東京の雰囲気を描いているという意味では貴重な歴史資料として楽しめるが、物語としてはかなり暗くて救われない気持ちになる映画だ。家もそこそこ裕福な大学生たちが、お金儲けゲームとして仕鰍ッた遊びが思わぬ悲劇を起こしてしまう物語である。



若いエネルギーと時間を持てあましていた大木壮二(小林旭)、秋谷、沖津、和(岡田真澄)は、場外私設車券売りのかたりで金儲けしようという戸田の提案に飛びついた。ノミ屋といわれるこの商売は、レースがゴールインしてもまだ券を売っており、しかも競輪場からノミ屋に結果が届くまでに五分の時差がある。ここに目をつけた彼らは手分けしてノミ屋より早く結果を仲間に知らせ、当たり券を買占める計画だ。計画は成功し、配当金は三十四万円だった。しかしノミ屋には金の用意がなく、責任者の鉄太郎(葉山良三)は二十万円を先に払った。残り十四万円も必ず渡すと約束したが、すぐに用意できないことに業をにやした壮二たちは鉄太郎の妹・京子を沖津の下宿に閉じ込め「金さえ払ってくれたら返す。それまで大事にお預かりしますよ」と鉄太郎に電話を鰍ッた。約束を守った鉄太郎は十四万円の金、耳を揃えて送って来たが、京子は、秋谷、沖津に手ごめにされ、鉄太郎との約束は破られていた=Aという展開。



ネタバレになってしまうが、実はこの鉄太郎の妹、京子を演じているのが芦川いづみなのだが、大学生たちに拉致され、その上強姦されてしまい、当初信用して好意を寄せていた壮二(小林旭)にも裏切られ、更に拉致されている間に病に伏せていた母も亡くなってしまい、絶望して自らの命も絶ってしまう。



展開的には芦川いづみ映画として楽しむにはかなり厳しい、辛い内容である。しかし、唯一楽しめるとすれば、壮二が京子に惚れてしまい、デパートで働く京子を口説き、遊園地でデートするシーンは、胸キュンな場面として芦川いづみの美しさを満喫出来る。しかし、やっぱりその後の展開は全く頂けない。



前にもブログに書いたかもしれないが、芦川いづみの美しさのピークは、恐らく1960年前後だろう。その意味で、この映画は1958年の作品なので、芦川いづみ満開の序章というタイミングで、まさに伸び盛りの頃だ。納得の美しさは確認出来るものの、やはり芦川いづみ映画としてはかなり辛い展開というのも事実。



しかし、映画としてはテン?ヌく、飽きさせることのない展開なので割と良く出来ており、物語に引き込まれながら観ることが出来た。この辺りは、後にあの『宇宙戦艦ヤマト』を監督した、舛田利雄監督ならではの軽快さだが、軽快なだだけに、救いようのない物語が余計強調され、とても切ない作品となっている。



残念ながら、芦川いづみ出演作品としてはあまり高い評価は出来なかったが、映画としては興味深い作品であったし、芦川いづみの出演シーンでの美しさはさすがであった。まだ観ぬ芦川いづみ作品を求めて、引き続き楽しみにして行きたい。

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