悪くはない が・・

しゃべれどもしゃべれども　　平山秀幸監督

真打になる前の落語家にジャニーズ・国分

「の・ようなもの」（１９８１）
という映画が20年以上前にあり、古今亭志ん生の「黄金餅」に出てくる、夜明けの東京風景を歩きながら志ん魚（しんとと・しんととと）繰り返す。
自分も主人公（まったくの無名だった伊藤克信）のように東京の街（あれはいったいどこだったのか　不明）を一日中、歩いたことがあり、ああ青春は歩くもんだぁ・・と思ったのだ。
　　

時は流れ
平山監督の作る映画にはいつも大きく心が揺らぐので（いい方にも悪い方にも）、見る前にちょっと覚悟がいるけど
（学校の怪談４は怖くて悲しかった　愛を乞う人・・・）

主演がジャニーズ,それだけで、気軽に期待半分（偏見ありますね中年）。

国分太一
　　ちょっとしたキモチの揺らぎを、目つきだったり　顔のこわばりだったり・・・大きな表情じゃなく表現。
見直しました、って言うより「ゴチの人」という以外に関心もない人だったので、
ジャニーズは本気で芸人を育てることにしたんだなあ、と感心しましたわ。

以後ネタばれあり
まだ未見の方は進入禁止


国分はすでに人気者であり、彼の魅力や色気が「まだまだの落語家」って役には、無理を感じるところでもあり
「青春度（鮮度）」を低めているところでもある。

最後もなあ・・・　突然（じゃないにしても）ラブ・ストーリー、急に糖度を上げてもらっても・・。


香里奈（ＣＭはキライ）の仏頂面のおかげで、うまい具合にこの映画を甘い方に行くのを防いでいる。

大阪から来た子供　これが絵に描いた様な「大阪キッズ」
ほんとはどうか知らないけど、こんな子がわんさかいるような気がする。
松重の心の変化が描かれ不足では・・

たぶん小説はもっと爽快じゃないかと・・

でも　まあ
八千草さんと東京の風景でおつり出します。悪くなかった。




監督 ： 平山秀幸
原作 ： 佐藤多佳子
出演 ： 国分太一 、 香里奈 、 森永悠希 、 八千草薫 、 伊東四朗

師匠をホンモノの咄家にできなかったのは残念。
八千草さん　助演女優賞ですよ（私的に（笑）