タネの縁側  

偏見に満ちております。どなたの参考にもなりません、各自でお確かめいただきますよう御願いいたします。

英国通貨はややこしい

2012-05-27 | 
英国メイド マーガレットの回想   河出書房
     1907年(明治40年)生まれの作者の一代記

「アンジェラの灰」(アラン・パーカー監督)で見たアイルランドの貧困層の家族に比べると、随分マシな感じがする。
翻訳のおかげか、彼女が体験した「過酷な長時間労働」が大変だったとは思えるけど、悲惨さがあまり感じられないのは、
彼女の「何で?」階級制度の疑問、もうちょっと何とかならんか、の「上昇志向」、
転職での条件のかけひき、「ささやかな野心」が清清しい。

過酷な労働
正社員を過労自殺に追い込んだ居酒屋、「ワタミ」、正社員の身分を餌に追い詰めた飲料自販機会社、マックの名ばかり店長と比較してどうなんだろう。

条件が悪ければ転職、あるいは条件の改善、これは求人が多くないとできない。
「おしん」や、ちょっと前に読んだ「苦役列車」とは比較にならないほど人生が楽しそうなんだ。本を読むことが好き、低賃金だけどメイドの求人が多い、
望む条件をはっきりと言える。自分の結婚観を貫く。



おしんと世代が同じくらいだろうか、第一次大戦後(1921年)15歳でメイドとしてスタート、
その後結婚、第二次大戦中に子育て。



お金の詳細、食材のさばき方(獣の肉)、上流階級の人の使い方、接し方などおもしろい、役にたつようなレシピはない(笑)
捨ててしまった食べ残しをもう一度拾ってきて、加工したら、それまでで一番喜ばれたとか・・・( ̄□ ̄;)

昔の食材に比べ、今の食材がいかに良くないかが何度も出てくる。

冷蔵や冷凍が食材を悪くしている。まあ、そうだろうね。
マーガリンを憎悪(わーい 一緒だぁ)

イギリスの通過がちんぷんかんぷんで、
この当時1ポンドが20シリング 1シリングが24ペニー
他に1ギニーは21シリングという通貨も出てきて、

┓(´_`)┏さぁ~っぱり…


ちょっと前 1ポンドって200円以上してなかっただろうか、最近は120円あたり?
全然知らないし、調べる気も起きないけど、
ハリーポッター・ツアーに参加したことがある友人が、英国、二度と行きたくないけど、
ポンド、安くなったわ~、と言っていた。

メイド始めが年棒14ポンド 2度の転職後に24ポンド、コックになってからは40ポンド、
やがて週給3ポンド5シリング(月にして13ポンド)の男と結婚、しばらく専業主婦


コックとして一人前になろうとは思っておらず、婚活にも一生懸命。


明治40年生まれの有名人を検索したら、
湯川秀樹 中原中也 などなど  へえ・・・




アマゾンから
内容紹介
1920年代の英国。海辺の街の職人の家で健やかに育った15歳のマーガレットは、貧しさから教師になる夢をあきらめ、裕福な家のキッチンメイドになった。そこに待っていたものは、ハードな長時間労働と、根深い階級格差だった。
 大量の鍋を洗い、手間隙かけて料理の下ごしらえをし、活きのよすぎるロブスターと格闘し、女主人の理不尽な仕打ちに耐える日々。失敗を繰り返しながら、彼女は強くなる。昼なお暗い地下のキッチンに押し込められて、一日15時間の家事労働に携わってはいても、胸に秘めた「野望」が消えることはない。
 20世紀初頭の英国における、メイドやコックの隠された生活が、活き活きと綴られる。最下層のキッチンメイドからコックへ、そして六十歳を超えてのち本書を出版し、一躍売れっ子作家の道へ。知性とユーモアと批判精神に満ちた、類まれなる英国女性の一代記。


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