今年(2022年)1月より、月刊誌『百万人の福音』に、『ぼくを忘れていくきみと~アルツハイマー病の妻と生きる幸せ~』とのタイトルで、認知症と向き合って共に生きてきた夫婦の16年間を回顧して投稿しています。
1年間の約束で、すでに編集部には10月号までの原稿を送ってあり、校正も終えています。残り11月号、12月号の二回分の原稿の内容も決めてありますので、「責任を果たせて良かった」との思いと「もう少し書き続けたい」との思いが交錯していました。
すると、編集部から連絡があり「連載が好評なので、あと1年間続けていただくことが出来るでしょうか?」との打診がありました。喜んでO.K.の返事をしましたが、その後すぐに、毎回の原稿を書くのに苦しんできたこれまでを思い出して、不安がやってきました。月刊誌では出版部数の上位に入る長い歴史のある雑誌ですから、ブログに想いを書き綴るような訳にはいきませんでした。最初の内は、何度も、編集部から校正を求められ、ようやく書き慣れたころには終了間際という有様でした。
妻と私の生き方が、高齢化社会で認知症が大きな日本の社会にとって大きな課題となり、しかもコロナ禍で愛する者との関係を裂かれる多くの人々がいる、今の時代のニーズに合っているからでしょうか、新聞やテレビでも私たち夫婦の姿が多く取り上げられました。少しでも、私たちの存在が人々の慰めや励ましとなるなら、その姿を人々の前に曝すことにやぶさかではありません。
今は、妻とは窓越しで週に1度、短い時間顔をあわすだけの現状です。信じあうことと、語り合ってきた共通の希望と、これまで培ってきた愛の記憶だけが二人を夫婦として結び合わせているのですが、あと12回の投稿では、これまで二人を夫婦として結び合わせ、幸せと思える人生を歩ませてもらうことが出来た、信仰、希望、愛の力を書き表したいと思っています。