しんごの部屋

出会いを大切にしたいと思います。私の言葉が、慰めとなり、心にいやしをもたらす、さわやかなHPとなるように願っています。

小旅行でも良いから・・・

2014-11-12 19:54:28 | しんごの想い

              

阪和道を堺市から貝塚市まで走行し、一般道を通って帰るという、小さな旅行を計画しました。白雲の浮かんだ青空、山並が見え、木々が美しければ、妻と二人車の中で十分に楽しめます。岸和田のサービスエリアが二人のちょっとしたお気に入りです。ちょうど紅葉が美しく、小さな日本庭園が眺められ、店員さんも明るい、レストランで昼食をとりました。食後、庭園を散策しながら、水辺に映る竹と泳いでいる金魚の群れを見て喜び、SAに作ってある小さな岸和田城を紅葉越しに眺めては、「ここから見るのがいいわ!」と言う妻に合槌を打ちながら、写真を撮っていました。時を過ごしていました。二人にはちょうど良い外出でした。

 定年になって時間に余裕が出来たら妻と旅行を、と考えていましたが、妻の認知症が進行するにつれて、二人で行動できる範囲は次第に狭くなってしまいました。7年前に働きに一区切り付けていったん退職した時に、大阪から北海道までのんびりとドライブした2週間が、妻との最も長い旅行となりました。 その後、1,2泊の休暇で出かけることはありましたが、最近では一泊することも難しくなってきています。先日、東京での息子の結婚式にも、日帰りで行きましたが、それも私が少し目を離した間に東京で数時間妻を捜すようなこととなってしまいました。

                              

 そのような状況ですが、最近、なぜ妻と旅したいと思っているのか、私の気持ちについて考えていました。そして、感動を共有して会話が弾み夫婦で喜び合う時が持ちたい、と思っていることに気が付きました。そして、妻の喜びが私の喜びであることを再確認出来ました。その結果、私たちに関していえば、小さな旅行を数多くする方が良いのでは、と考えるに至りました。喜ぶ場所であるなら、同じ場所でも、前に行ったことは忘れてしまいますから、問題はありません。ですから、季節に合わせて場所を選びます。当たり外れはありますが、落ち葉があるだけでも喜べる人ですから、あまり気にしないで、きままに選んでいます。

                     

 43年間、良い夫婦だったとは言えないけれど、妻が感動することに私もなるだけ関心を持つように心して来ました。その結果、行きなれた所への旅でも、妻とともに楽しむことが出来るようになっています。食べ物に関しては、豪華な食事でなくても、一杯のきつねうどんでも喜べる二人ですから、食事処を探さなくて済みます。特に最近は、少し高級レストランに行って「美味しい!」と食べ始めても、食べきることが出来ないのが嬉しくないようですから。


日本庭園の菊花展

2014-11-07 20:26:16 | 認知症の妻と楽しむ
私の落ち度で東京で徘徊させてしまった妻に申し訳ないことをしたとの思いがあって、喜ばせたいと思って、堺市の大仙公園へ行きました。折しも菊花展が開催されていました。まだ足の痛みがある妻のために、散策はやめて、菊花展だけを見て帰りました。

チャペルの活け花

2014-11-02 22:18:28 | しんごの想い


教会堂の活け花は私の妻の担当でした。

認知症が進行しても、7年間も続けることが出来たのは幸いなことでした。

私も妻を手伝ううちに、次第に観賞する目が養われたように思います。

昨年はからついに妻はほとんど出来なくなったので、若い活け花の先生に

バトンタッチしました。妻が辞める前の一年ほどは、ほとんど私が活けていましたが、

皆さんは、認知症の妻が活けたものとばかり思っておられて、

「綺麗ですね!」「いつもありがとうございます。」などと、妻に声をかけて下さ

っていました。妻も、自分が活けていると思っていましたから、「うれしいわ!」

「良かった!」「ありがとう!」などと言っていました。



今朝、私はチャペルの花を活けて下さった女性に、花の名前を尋ねながら、

ねぎらいの言葉をかけていました。カーネーション、アスターなど色とりどりの花に混じ

って綺麗なナデシコがありました。「綺麗な撫子ですね?」と声をかけると、「撫子とカ

ーネーションを掛けあわせた、撫子カーネーションだそうです。」と教えてくださいまし

た。それを聞いた時、私の娘がまだ小学生の頃、口の悪い友人が「この父親と母親から

こんな良い娘が生まれるなんて考えられない。」と言った言葉を思い出してしまいまし

た。その娘も今はやんちゃな男の子二人を育てる、普通の女性になっています。