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世の中の「これ、おかしくないか?」を、ときに真っ直ぐ、ときに斜めから、ときにユーモア、ときに皮肉まじりで問い質す、いま最も信頼できるライター、
兼編集者、そして稀代のラジオパーソナリティー・武田砂鉄!
ときに重箱の隅をつつくような視点とその物言いは、悩める僕らの曇った眼を覚醒させる。大リスペクトだ!
この気持ち、伝えたい。さぁ、どうする?描こう!大丈夫?コロナ禍だけど。…うん。でも、屋外なら大丈夫なんじゃないかな?
そうだよ。外でやり取りすればいい。断られたら、そのときは潔く帰ろう。
で、どこに行こう?TBS…は夜遅い、避けよう。隔週コメンテーターとして出演している文化放送がいい。いつものように、描くことでエールを送ろう!
文化放送はJR浜松町駅に隣接する世界貿易センタービルと陸橋で結ばれており、そのためか入口が2階にある。
現在、その貿易センタービルが解体工事中で、この陸橋を利用する人が極端に少ないという状況。僕にとっては絶好のロケーションだ!
1月18日火曜日 14:00
JR浜松町駅着。北口改札を出て横断歩道を渡った正面が文化放送。ここで考えられる経路は3つ。
イ)地下鉄、もしくは地上1階からエレベーター
ロ)階段
ハ)1階裏口(この場合は諦めて出直すしかない)
イもしくはロと踏み、2階入口前のデッキで待つ。ドキドキ…
正解はロ。砂鉄さん現る。イヤホンをしているところに、勢い、声をかけた。
「砂鉄さん!お、お願いがあって、待っていました」(まずは、これが言えたことを良しとしたい。尻込みして言い出せないまま帰ることが多いから)
イヤホンを外し、立ち止まってもらえた。
「砂鉄さんを描かせてほしいんです!そのための、お写真を撮らせていただきたくて」
「えっ?どういう目的で?それを何に使うんですか?すでにある写真じゃダメなんですか?」
「あ、ス、スミマセン…」
怪しまれてしまうと、途端に腰が引け、声にならなくなってしまう。
お守り代わりに携帯していた自著『に・褒められたくて』を取り出した。
「こ、こんな絵を描いています。決して、怪しい者ではありません」
と言うほどかえって怪しいわけだが、本を受け取るや「ああ~、えのきどさんの」と。
まさに天の助け。
この本の巻末解説をお願いしたのが、えのきどいちろうさんで、そのえのきどさんと北尾トロさんによる2012年の共著『愛の山田うどん 廻ってくれ、俺の頭上で!!』の担当編集者がフリーに転身前の砂鉄さんだったのだ。
「まぁ、そういうことなら」と。
ここまでが文化放送入口前の、やや暗がりにあるスロープでの、歩きながらのやり取り。正面入口までは、もう数メートルのところ。
自動ドアが開いてしまえば、そこから先へついていくことは許されない。内から警備員がこちらを見遣っていた。えのきどさんに感謝!
そこから階段前まで引き返し、自然光の下、お写真数枚。パシャパシャ…
「描き終えたらまた来ますので、見てください!」
「えっ?いや、わざわざそこまでしなくても。画像を送ってもらえれば」
「いや、ダメです!感想を聞きたいので」
「…そうですか。分かりました」
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
間近で見る砂鉄さんは、思っていた以上に背が高く、可愛らしいお顔立ちだった。
さて、翌日から鉛筆画として描き始めたのだが、この後、オミクロン株による感染拡大があり、会いに行くのが憚られる状況に。
そんな期間を経て、ひと月ほど待ち、新規感染者数は高止まりとなり、月も替わったタイミングの、
3月1日
長かった分だけじっくり向き合った絵を持って再び文化放送へ、恐る恐る参ずると「あーどうも、どうも」と笑顔で受け入れていただけた。ホッ
「お帰りの際、見ていただけますか?」
「いいですよ。喫茶店にでも入りますか」
「いや、ここで充分です。お時間は取らせませんので」
その後、スマホで『大竹まこと ゴールデンラジオ!』を聞きながら待つ。番組内コーナー、紳士交遊録。
この日のテーマは、やはりロシアのウクライナ侵攻について。
そしてそれに伴う安倍元首相のトンデモ発言(非核三原則を見直して、米国の核兵器を日本に配備し、共同運用する“核共有”について議論すべき)について。。
番組終了後、程なく砂鉄さん登場。陸橋の中程まで移動してカルトンを開き、絵を見てもらおうとするのだが、場所が場所だけにビル風が強く、絵が飛んでいってしまいそうになる。
それを押さえながら、どうにか見てもらうと「いや~、こんなの初めて!妙な気分。ありがとうございます」と、喜んでいただけた様子。
「でもこれは、まだ未完成で。砂鉄さんにコメントを記していただけて初めて完成するんです。大きくても小さくても、絵に被っても構いません。思ったことを率直に書き込んでもらえませんか?」
「ここに?直接?」
「はい。別日が良ければ、また出直します」
「いや、それは申し訳ないし。じゃあ、何か別の紙に書きましょうか」
「いや、ココに!大きくても小さくても、絵に被って構わないので、完成させてください!」
すると、しばらく考えて
「わかりました。書きましょう!」と。
「ありがとうございます!筆記用具、いろいろ用意しましたので」
ガラガラとその場に出す。
「やっぱり鉛筆にしましょう」
「はい。お願いします!」
カキカキカキ…
その後ろを新幹線が通り過ぎる。いい光景。
そうしていただいた言葉は、
〈自分がそのままそこにいる。気持ちわるい。でも、とてもうれしい。ふしぎなきもち!!〉
そして、いつもサインに添えているという“噂の”ウサギもしっかり。ワーイ!
新作『愛の武田砂鉄』ここに完成〜
砂鉄さん、大きな心でご対応いただき、本当にありがとうございます。
今回も愛ある肖像画、傑作出来!
(2022年3月1日了)
『愛の武田砂鉄』を拝読しました。
面白すぎます!!!!
(最近ふさぎ込みがちだったのですが
久々にクスっと笑えました)
これからもご活躍下さい。