里山の石神端書2 二十三夜塔(茨城・大子町)
茨城県大子町大生瀬、打越の八雲神社
打越の集落から大和集落にぬける峠に古びた木の鳥居が今にも倒れそうに立っていました。しかし、鳥居はここなら本領を発揮して簡単には倒れません。これが里山の鳥居なのです。
鳥居の奥に祀られた木祠には「八雲神社」「秋葉神社」の木札が入っていました。八雲神社は京都の八坂神社、疫病を防ぐ牛頭天王を祀っています。秋葉神社は遠州の火伏の神。峠の高いところから二柱の神が打越の集落を見守るという状況でした。
少しはなれて「二十三夜塔」も立っていました。二十三夜は月齢23の日の夜に集まり、仏の軸を掛けて読経をし、飲食をして月の出を待つ行事です。軸の仏は主に勢至菩薩でした。月齢23の月の出は午後11ごろ、夜遅くまで話が弾んだことでしょう。
峠の反対側には「東堂山」の石塔がありました。東堂山は福島県小野町にある馬の神様です。
(集落名は国土地理地図による)
「邑のまつり」(大子郷土史の会 2016/02/29)に打越集落には3つの社があると書かれていました。
この冬に打越集落を探す予定でした。
東堂山の石塔は初めて見ました。
東堂山の社は小生瀬の前田集落にあり、今も酪農家など数軒でまつりが続いています。(同書)