富士川町平林・栃窪の木彫神仏像
稀なことですが、里山の寺社境内に古びた木祠が残っていることあります。
そのほとんどは朽ち果てていますが、中にはしっかりした木祠もあり、神仏が納められていることがあるので祠内を確認します。ところが木祠の扉を開けるとき、奇妙な虫が飛び出すことがあります。私は子供のころからこの虫が苦手で、いまでも見るだけで飛びあがります。それは足の長い羽根のない茶色の虫で名前は「カマドウマ」。体長は2センチほどですが、子供のころ風呂場で出会い、長い足ジャンプでするので飛びつかれるような恐怖がありました。それから湿った暗い場所が棲家のカマドウマが苦手になってしまいました。
栃窪の寺の隅の木祠でカマドウマに出合ってしまい、久々に飛びあがってしました。それでも木内には木彫の神仏が納められていたので、カマドウマが逃げるのを待って、調べてみました。
木祠ないには2体の木彫が鎮座。1体は両手で胸中央に剣を持ち、亀に立っている姿から妙見菩薩としました。妙見は仏教の神ですが中国の道教と融合して星の信仰も加わって天部の仏となり、この国では中世に武家の守護神として信仰されたこともありました。とくに関東の武家では千葉氏の北斗七星を家紋といた九曜紋が知られています。その流れを組む一つが相馬中村藩でした。
1体は神像で、平安時代の貴族の服装束帯で胸に菅原道真の梅花もが描かれていたので、菅原道真としました。
(地図は国土地理院ホームページより)