偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書129 三面観音(群馬県沼田市利根)

2022年10月21日 | 里山石神端書

群馬県沼田市利根町穴原・山中の三面観音

 穴原集落の男性から、この集落で知られた石仏は三面観音だと聞きました。


 その場所は集落の北にある弁天池から東の林道に入った山中、5基の庚申塔が立つ先にあります。盗難除けの保存のためか、ブロックと金網で囲われた中に立っています。

 金網ごしによく見ると、三面の優しい表情の観音風で、顔に続いて体も三体からなる珍しい像容。集落の男性がすすめるだけの価値がある観音です。
 仏像で三面というと馬頭観音や摩利支天、それからや明王にありますが、顔がいくつあっても手が沢山あっても体は一つが普通ですから、体まで三体あるこの石仏は異様ではあります。それでも大威徳明王などは三面で足が六本ありますから、仏像の場合異様は当たり前のことでもあります。

 ところで三面観音の頭に乗っているのは馬頭のように見えます。とするとこの三面観音は馬頭観音かもしれません。ただ馬頭の三面は憤怒の形相ですから、やはり地元で呼んでいる三面観音としておくのが妥当でしょう
 石仏の台座に「右ハ大ま道/左ハ山みち」とあります。「大ま」桐生市の方の大間々でしょうか。
(地図は国土地理院ホームページより)



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