偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書235 大曼荼羅(福島県いわき市遠野)

2023年11月07日 | 里山石神端書

福島県いわき市遠野町富岡・蓮浄寺の大曼荼羅


 いわき市の遠野は、いわき市の湯本と内陸部の石川町を結ぶ御斎所街道にある山間の街。街道から離れた山沿いの日蓮宗蓮浄寺に大曼荼羅の石塔が立っていました。



 中央に「南無法蓮華経」、その左右に「南無多宝如来/南無釈迦如来」、さらに左右に「南無上行無辺行菩薩/南無浄行安立行菩薩」銘が並びます。これを大曼荼羅と称しています。造立は「安永四未(1775)」。下部に「法界」銘。他に「題目千部塔」もありました。
 大曼荼羅は法華経の世界を仏名で描いた法華曼荼羅の一つ。法華経に説かれた如来・菩薩・明王・天の仏を漢字や梵字で記しています。そのなかの従地湧出品十五に説かれた四菩薩が上行菩薩・浄行菩薩・無辺行菩薩・安立行菩薩。仏道修行をする人の根本的な総願としてあげられる「四弘誓願(しぐせいがん)」を象徴するたちです。そのなかの浄行菩薩は日蓮宗寺院の境内に丸彫り石仏として祀られ、その多くに柄杓やタワシが置かれています。これは浄行菩薩を水で清め、自分が患っている所と同じ場所を洗って治癒を願うものです。
 実際の大曼荼羅はさらに多くの尊名が描かれていますが、蓮浄寺の石塔は大曼荼羅の中央上部に並ぶ仏たちを石に刻したものです。
(地図は国土地理院ホームページより)


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