【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =056=

2018-06-30 06:24:04 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

 第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語 

◇◆ 「クマムシ最強生物伝説」の看板、獲ったどー!! =1/3= ◆◇

自身のツイッターで「オラー、クマムシ表出ろやー! Webナショジオで勝負したるワイ」と宣言し、始まった「緊急激論!クマムシvs極限環境微生物」。今回は、読者から「その大人げのなさが好き!」と賞賛された力作「対決表」からスタートです! 地上最強生物は、果たしてどっち?

まあ結論から言うと、「ふっ、大人げもなく、つい微生物の本気(マジ)を見しちまったぜ」っていうところでしょうか。同じ背景色の部分がクマムシと微生物を比較すべき項目列ですが、一応すべての点において微生物の増殖・生存能力が上回っていることがわかるように書きましたわい。

「クマムシ最強生物伝説」の看板、獲ったどー!!  とはいえ、この比較、ホントーはなかなか難しいんですね。

特にクマムシのような動物の場合は、一個体ずつの生存をちゃんと調べて、50%とか10%の個体が生存する条件とかを算出するのに対して、微生物の場合は例えば1億個の細胞の集団での生存を相対的に調べるしか方法がないので、「死なない」とか「全滅しない」という意味は1億個の微生物すべてが「死ぬわけではない」とか「全滅するわけではない」という意味になります。

クマムシサポーターからは、「そんなの卑怯だー」と言われかねませんな。 それでもそのハンディを考慮しても、微生物の持つ生存能力の高さがハンパないことをどうしても明示しておきたかったワタクシの黒い情念が滲み出た結果でしょう。
ははは。

生物は体が小さくなればなるほど(多細胞なら細胞数が少ないほど、単細胞なら細胞サイズが小さいほど、そして生体機能が単純であるほど)、生育や生存のコントロールがしやすいのは当然です。 クマムシは緩歩動物という、眼みたいな器官まであるかなり高等な生物ですから、核すら存在しない原核生物と個体質量やゲノムサイズ等を補正することもなく、単純に比較するのはそもそもおかしいことだと思います。

またクマムシは分類学上、動物のひとつの門(生物分類群のカテゴリーで、種・属・科・綱・門の順番で高次分類になる)の生物に過ぎないわけですが、微生物は100近くの門からなる多様な生物集団です。 そりゃ、恐ろしいほど能力が特化した種がいてもおかしくはないです。

ただし、比較対象を極限環境微生物まで含んだ微生物全体としなくても、例えば、我々人間ととてもなじみが深くて身の回りの環境のどこにでもいる微生物の一種、納豆菌、に絞っても、ほとんどの項目でやはり納豆菌の能力が上回ることも事実です。 実際、堀川さんも自身のブログで同じようなことを書かれています。

たしかに妄信的に「クマムシ地上最強生物」とか言われると、何度でも「微生物の本気(マジ)を見せつけてやる」ことはやぶさかではないぐらい、ワタクシ、大人げありません。また実際、植物もかなり生存能力の高い生物であることも間違いありません。 しかし客観的に見ても、クマムシの恐ろしいまでの生存能力は、現時点では「地上最強動物」に相応しいと思います。

生存能力に対して、クマムシの生育はかなりデリケートのようで、その飼育法は、夥しい数の研究者の吐血(堀川さんのブログより)の上に築き上げられたものだったようです。その姿は、いつ死に絶えるかわからない微生物培養のプレッシャーで消化器系をやられ、吐血ではなく下血する微生物学徒を見続けてきたワタクシにもリアルに想像できます。そして思わず笑ってしまうけれども、生物研究者に共通する哀愁的シンパシーを感じざるを得ません。

生命は海から?陸から?宇宙から?高井研さんに聞く・前段 -2/6- =

海洋研究開発機構(JAMSTEC)深海・地殻内生物圏研究分野分野長 高井研さん。「しんかい6500」実機前で。(高井さんの右側にある丸窓が研究者用窓)深海や生命について語り出すと止まらない、めちゃくちゃ熱くて濃い方です。

………深海の熱水噴出孔はラスベガス!?

—- 水深数千mの深海に、熱水が噴き出す熱水噴出孔(チムニー)があって、生命が誕生した場所と考えられていますよね。どんな世界だろう?と興味がありますが、今まで何回ぐらい深海に潜っているんですか?

高井: 有人潜水船の「しんかい2000」や「しんかい6500」だと50回近くですね。

—- 「しんかい6500」は3人乗りで研究者は一人だけですよね? 年間で潜れる研究者の数は限られていて、宇宙に行くのと同等かそれ以上に狭き門というイメージですが…

高井: 一時期ぶいぶい言わせて年間5~6回ぐらい乗っていた頃もありましたよ。今は悪しき民主主義で(笑)僕が15回乗るよりも、一人一回なら15人乗れると言われて、多くの人を乗せようとしています。でも初心者が乗ると全然研究の効率が悪いんですよ(笑)。

—- 研究者の役割は、あそこに行ってとか指示をするんですか?

高井: はい。その日の潜航のプロデュース監督です。潜航のスケジュールは決まっていますが、予定した探査ができなかったら方針転換してプログラムを変えていかないといけない。でも初心者は書かれた通りのスケジュールをやろうとして、何も発見がないまま終わる。「俺が乗ればよかった!」と反省するわけです(笑)。

—- そんなに何度も潜りたくなる深海の魅力ってどんなところですか?

高井: 宇宙で人間が行ける場所は、地球が「こたつ」だとしたらこたつから足を抜いたぐらいでしょ?何も冒険していない。でも海は水深100メートルを超えたら生身の人は行けない場所で、行くたびに新しい発見がある。今でもモーリシャスやフィジーのサンゴ礁とか何時間も見ていられます。心地よくて美しいんです。しかも研究できる物をいっぱいとれる。自分で行けて自分の足で踏みしめることがやっぱり一番楽しい。対象としては宇宙より遥かに面白い。でも「生命の起源」を知りたいから宇宙に行きたい。手段としてね。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 熱水海底下生命圏を調査!(Vol.4)

  https://youtu.be/EHSDl57wN3E

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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