じじい、無駄な抵抗はよせ!

無駄な抵抗はよせ! 
だが、一度きりの人生じゃ
映画のタイトルに触発されて、じじいの抵抗はいかに??

旅の選択肢4

2019-12-07 12:34:37 | 行きたい旅先
ニースからモナコへ

自分自身も含めてモナコという町の形を少し
話しておきます。モナコは地中海に面した小
国だが、アルプスの端から急に海に地形が落
ちた所にある。歩いても回れる位の小さな町
が一つの国になっている。

貧乏旅行の自分、ニースから電車で出かけた。
切り立った岩山の端を縫うように電車は走る。
30分もかからずモナコに着いた。駅は岩山
の中腹にあり、市街地は海岸沿いにある為に
坂道を海岸の方に下りて行った。

海岸通りには土産モノ店、レストランが軒を
連ねており、海岸には豪華なクルーザーやヨ
ットが係留されている。クルーザーを日本で
買うとしたら、どんなに安いものでもベンツ
10台は下らないだろうが、そこに止めてあ
るシロモノはそのようなレベルではない。ホ
テルをつないだようなモノまである。

有名なF1グランプリのコースを逆に歩いて
行くと、海岸通りへ出てくる長いガード下に
着いた。地図を持って歩いた訳ではないが、
この辺りの感覚が「ゆきあたりばったり」な
のだが、結構ヒットするのだ。路肩にエレベ
ーターの乗り口がある。なにげに上のボタン
を押すと、そこは山の中腹のホテル前に出た。

おやー! ここはレース中に出てくる有名な
ホテルではないか! 軽装だがかまわず中に
入ってみた。そこは予想外のカジノになって
いた。貧乏人故に金は持っていない。キャッ
シャーでポケットの500フラン(レートで
日本円換算は25倍の12500円)をチッ
プに替えてもらい、生まれて初めてカジノに
入った。地球の歩き方ではカジノの遊び方に
ついて、最初はよく見学をすることとある。

挑んだのはルーレット。トランプのゲームは
やり方が分からないし、何しろ、言葉は仏語
だ。ルーレットなら数字に賭ければ良いらし
い・・・。一時間ほど何もせずに眺めていた。
すると、円盤に玉を放って、玉がどこに落ち
かを当てる単純なルールだが、1ゲーム終わ
る事にディーラーが大勝ちした客から勝手に
チップをもらうのだ。配当を配る時、ディー
ラーのチップ用のスリット、ポンと抜き取る。
しかし、小さく設けた客からは取らないこと
が分かった。

で、大きい倍率の所には賭けないことにした。
0から36までを三分割した部分にだけ賭け
た。1~12、13~24、25~36には
当たれば掛金を含めて3倍が戻される。
その当たれば3倍になる所に賭け続けた。
当たる、当たる。連続して何度当たっただろ
うか・・・。
ゲームが終わると何度も増えたチップが運ば
れた。しかも、少額しか賭けてないのでディ
ーラーは私から一度もチップを取らなかった。

一時間ほど過ぎただろうか・・・。百フラン
のチップがズボンの両側のポケットに入り切
らない程になっていた。正確には覚えていな
いが、6000フラン(15万円)ほどにな
っていたと思う。カジノホテルからニースま
ではベンツのタクシーで帰って来た。

ビギナーズラックというやつだな。

この旅に日本から持参した小遣いは10万円
だった。ニースに戻って、海岸通りにあった
ギャラリーでダリ作の版画メルチングウォッ
チは17万円だったが、それを散々買うか買
わぬか迷った末に、結局買わずに戻った。

買えば良かったのだが、旅は半分も残ってい
たし、毎日サンドウィッチばかり食べていた
ので豪華な食事も少しはしたかった・・・。

ダリの作品を見る度に思い出す。  つづく