旅先のハプニング２

★コロッセオからフォロロマーノを抜けてベネチア広
場へ向かう途中で事件は起きた。

物乞い（乞食）には注意しろと言われていたが、それ
は想像していたものと違った。若い女が乳児を抱きか
抱え、別に小さな子供を連れていた。女は片肌を脱ぎ
乳を露出させていた。そして、どんどん近づいてきて
乳児を押しつけるようにしながら知らない言葉で何か
を言っている。するとそばに居た子供が私のカバンを
まさぐっているではないか。「あっちへ行け」と大声
を出すと離れて行った。ローマでは有名らしい。

★パリの地下鉄はスリが多いらしい。
地下鉄のホームで電車を待っていた。学校帰りなのか
５、６人に女の子の集団が居た。電車が来たので連れ
と乗り込むが空いている席はなかたのでポールにつか
まって立っていると、近くに居た紳士が「こいつ等は
スリだから気をつけなさい」と英語で注意してくれた。

カバンは前に抱えていたので大丈夫だと思った。する
と女の子達に囲まれた。電車が次の駅にすべり込んだ
時に一人の女の子が何かを拾うようにかがんだ。そし
て、「これあんたのか？」と言うように、尻に入れて
いた二つ折りの私の財布を差し出した後、集団は到着
した駅に下りて行った。やられたかと思ったが財布の
中身は２０ユーロくらいしか入れて置かなかったので
仕方ないと思って降りた駅で確認するとお金は抜かれ
ていなかった。

★ロスには見晴らしのいい天文台がある
友人が映画のファストシーンに出てくる展望台へ行こ
うと誘ってくれた。車を降りる際に手荷物は全部トラ
ンクに入れるように言われた。

オブザベートリーはロスの町を一望できる所にあり、
夕暮れの市街地にはオレンジ色の霧灯が碁盤の目のよ
うに広がっていて、沈みかけた夕日は地平線をオレン
ジ色から紫色のグラデーションになっていて美しかっ
た。見学が終わって車へ戻る時、どこから現れたのか
大柄の黒人２人が突然我々の前に現れ「チェンジ、チ
ェンジ」と言って手を出した。友人はズボンのポケッ
トから小銭を取り出して渡すと奴等はどこかへ消えて
しまった。暗い中の黒人には恐ろしかった。

ロスに長く暮らす日本人の友人はというと、ごく平気
なようだ。いつも小銭はズボンに入れているという。
抵抗して撃たれた人もいるので、小銭はそういう奴等
用に用意しているという。

この友人に教えてもらったが、今では無くなったが、
チップ社会の米国でカード払いにする時にはチップ代
も後付けで金額を記入し、それから本人サインをする
ようにと教えられた。チップの欄に後から法外な金額
を入れられることもあるからだと・・・。
（２０年くらい前のハナシです）

つづく