21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

この世の由来-世記経  ~人類の降臨 その2

2013-07-17 10:20:48 | 経典
かの〈梵天王〉の容貌は、いつも子供のようであった。 だから王は『童子』と名乗った。 この時代 〈世間〉が再生されるにつれて、多くの生き物たちは〈光音天〉へと生まれ変わっていた。 彼らはおのずと湧きおこって来る〈歓喜〉を食べものとしていた。 彼らの体は光を放ち、〈神足(超能力)〉でもって空を飛び、行き来していた。 安楽であり、妨げるものもない境地であり、彼らの寿命は久しく長かった。 そののち . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~人類の降臨 その1

2013-07-09 05:16:31 | 経典
仏陀は比丘たちに語り始める。   「〈光音天の下までの世界〉を焼き尽くす〈火災〉もついに終わり 〈失われた世界の天地〉がふたたび生成されようとしていたとき、 “とある生きもの”が 〈光音天〉での“幸せ”が尽き “おこない”が尽き “命”が尽きて、 〈光音天のひとつ下に新しく生まれたばかりの天国・空梵處(大梵天)〉に生まれた。 彼はこの世界の美しさに心を奪われ “執着の心”を起こして、  -ほか . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~神々との戦い その9

2013-06-30 19:56:40 | 経典
〈神々〉は 手に手に武器を持つ。 “刀に剣に、鉾に槍、戦斧に戦輪、縛り上げる縄”など。 また 〈兵神の鎧〉は“七宝”で出来ている。 いかに〈阿修羅たち〉が刃を加えようとも その身には傷一つ負うことはない。 〈阿修羅たち〉は 手に手に武器を持つ。 “刀に剣に、鉾に槍、戦斧に戦輪、縛り上げる縄”など。 また 〈阿修羅兵の鎧〉は“七宝”で出来ている。 いかに〈神々〉が刃を加えようとも その身には傷 . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~神々との戦い その8

2013-06-23 20:45:10 | 経典
〈帝釈天〉は 〈忉利天の“三十三の天宮”にすまう神々〉を心に念じた。 〈忉利天宮の神々〉もすぐに察して念に応え、次いで口を開く。 「只今、 我らが王〈帝釈天〉様が我らのことを念じてくださった! 我ら速やかに武具を整えん!」 そしてすぐに 〈左右の側仕えの者たち〉に命じて武器の支度をさせるのだった。 〈三十三の天宮の神々〉自らも 武器を執り、宝の鎧で実を固め、宝の戦車に乗り込む。 そして 〈無 . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~神々との戦い その7

2013-06-16 20:14:10 | 経典
〈侍天〉はすみやかに 〈夜摩天・兜率天・化自在天・他化自在天それぞれの神々のところ〉へと順におもむき、 〈帝釈天の言葉〉として 『〈阿修羅たちの大軍勢〉と戦う日がついに来ました。 どうか〈神々〉よ、手に手に武器を執り、我れらが軍勢にお力をお貸しくださりませんか』 と告げて回ったのだった。 〈夜摩天の天子(王子)〉は この言葉を聞くや否や自ら武器を執り 宝の鎧で実を固め、宝の戦車に乗り込む . . . 本文を読む