観音経 ～あまねく世界を見渡す〈観世音〉という名の偉大なる求道者26「持地菩薩の独白」

〈アクシャ・マティ“尽きることのない意欲”という名の求道者(無尽意菩薩)〉がこのように歌いあげた時
〈“生きものたちの望みをかなえ、養い育てる誓い”を立てているダラニ・ダラ“大地を支え持つ者”という名の求道者(持地菩薩)〉が
座より立ち上がって仏陀の御前に進み出、申し上げます。


「世尊よ。
この
〈“〈観世音菩薩〉の自在なる働きと、いずれの場所にも現れて不可思議なる偉大なる力をふるわれること”を知ることの出来た生きものたち〉の得られる〈功徳〉とは、
はかり知れないものでありましょう」


こうして
仏陀がこの〈あまねく世界を見渡す「観世音」という名の偉大なる菩薩〉について見事に説き示された時に
この〈妙法蓮華の法会〉に集まっていた者たちの中で
〈八万四千の生きものたち〉が、
ことごとく
〈この上もなく等しきものなき正しい覚り〉へと向かっていく心を起こしたのでした。　

　　　(了)