福井江太郎「風・刻」(風神雷神図) 壁画12m×30m
箱根小湧谷に箱根で民営では最大規模の美術館が10月4日に
オープン、早速訪ねてみました。日・韓・中の陶磁器や近世、近代の
日本画を中心に他に平安、鎌倉期の仏像・仏画とか埴輪等々盛り
沢山でしたが、素晴らしい作品ばかりで飽きずに見終わりました。
特に陶磁器など全くの門外漢の私でしたが、それなりに理屈抜き
で楽しむことが出来て、いつもは素通りしてしまうのに今回は思わず
魅かれて、じっくりと鑑賞する気分になれたのは想定外の収穫でした。
松園の美人画や北斎の神奈川沖浪裏や赤富士なども予想してい
なかっただけに感激でした。
要所々々にタブレット型の電子キャプションが置いてあり簡単な解
説文を読むことが出来るのも便利で、いずれもっと増えるのではと
期待しています。それと展示作品の暗い背景に後ろの展示室の情
景が暗く静かに浮かび上がって、それが凄く幻想的な雰囲気を醸し
出していて素晴らしいと思いました。
尾形光琳「雪松群禽図屏風」
葛飾北斎「神奈川沖浪裏」
葛飾北斎「凱風快晴」
喜多川歌麿「芸妓図」 葛飾北斎「夏の朝」
上村松園「汐汲」部分
美術館入口
入館料は2800円。理由はともあれ高いですね。
館内に入った所.
館内に入るとカメラや携帯電話はロッカーに収納するよう指示され
ます。ロッカーから戻すのを忘れて帰ってしまった人には館側はどう
対応するのか気になります。指示・強要した館側にも責任の一端は
あるでしょうから…。
そして、「こちらをお通りください」と指示されたのが空港などでお馴
染みの危険物探知の「ゲート」。心当り無しで気楽に私は通ったら「ブ
ー」。「車のキーはこの箱にお出しください」と言われてキーを出して
再度通ったらまた「ブー」。こんどは携帯用の探知器で身体を舐め回
されてお金とクレジットカードの入っているポケットでまたまた「ブー」。
美術館 に入るのになんでここまでやらされるのかとの思いで、正
直、不愉快なスタートとなりました。
今度、観に来た時に「ゲート」に団体客がづらーと並んでいて
「ブー」、「ブー」とやっていたら、いつまで待たされるやらと恐ろし
くなって私は帰ってしまうでしょう。
このガラス窓の内側に壁画(風神雷神図)があります。
この美術館のウリの「足湯」. ここで飲食したり壁画を鑑賞します。
館内には喫茶コーナーやレストランは無く庭園に目下建築中で、現
在は飲食はこの「足湯」でしか出来ません。「足湯」での飲食自体は
否定はしませんが、「あし湯」に浸からずに壁画を観るにはこの人達
の視線を後ろに感じながらと言うわけでかなりの勇気が必要です。し
かもベンチも無く立ちん坊なのでこの人達の鑑賞を妨げているので
はないかと思うとよけいにゆっくり観ていられません。
日曜・祝日など来館客が多くて、この「足湯」に順番待ちの行列が
出来た時どう捌くのでしょう。とにかく折角の本格的美術館の雰囲気
を損なわないような工夫をお願いしたいと思います。
と言う次第で気掛かりな点もいくつかありましたが、所蔵の作品も
本当に素晴らしい本格的な美術館がまたひとつ誕生して、私として
は「箱根の楽しみ」がもうひとつ増えたと喜んでいます。
を