お雛様から、鯉のぼりにようやく変わった玄関。
絵のやうに真横になびく鯉のぼり見つつ歩めリ田中の道を
(「塔」2017年9月号)
美容院からの帰りに、田んぼの中のお家の庭に
4匹の大きな鯉が泳いでいる鯉のぼりを見つけて詠みました。
布製の緋鯉と真鯉
桐野夏生さんの「日没」を一週間前に読み終えました。
最後に救いがあるのかと、小さな希望を持ちながら読んだのですが、
それは叶わず、残酷な最後でした。
「反戦デモ」を、陸上自衛隊の新たな戦いとして想定していたことが
判明しました。
「日没」は、こんなことも視野に入れて書かれたのでしょうか?
「表現の自由」が奪われると独裁国家になってしまいます。
今のロシアは、すでにそうなった姿だということですね。
きょうの潮流
明るさと元気をくれる偉業です。プロ野球・ロッテの佐々木朗希(ろうき)投手が10日、完全試合を達成しました。
「1年間結果を出すことが求められている。切り替えてがんばりたい」。一夜明けても謙虚な姿勢は変わりません。
▼記録ずくめの快挙でした。完全試合は28年ぶりで、20歳5カ月は史上最年少。まだプロ14試合目、初の完投試合
でもありました。
▼大きく足を上げるダイナミックなフォーム。最速164キロの速球を軸に三振の山を築き、13者連続はプロ野球新記
録。1試合19奪三振も日本タイ記録です。スポーツ紙には「球史の怪物」の言葉も躍ります。
▼本格的に野球に取り組み始めた9歳のとき、東日本大震災に遭いました。岩手県陸前高田市の家は流され、父と祖父母
を失います。「悲しいことではあったのですが、いまに生きている」。つらさを乗り越えここまで。いつも控えめな発言
で、コツコツと努力する人柄も自身を支えます。
▼周りの“アシスト”も見逃せません。大船渡高校時代の国保(こくぼ)陽平監督は、甲子園目前の岩手県大会決勝で、「故
障を防ぐため」と連投を回避。批判を浴びつつも信念はゆらぎませんでした。ロッテのコーチ陣も長い目でみつめ、入団
後は体づくりに専念させました。いまも無理はさせません。ともに目先の勝利より豊かな未来を見すえた英断です。
▼まだまだ成長途上です。その可能性ははかりしれません。こんな夢をくれる選手の陰に、周りの人々の忍耐と勇気、豊
かな知性があることにも思いをはせたい。
(しんぶん赤旗より)