「広島への誓い サーロー節子とともに」
13歳のときに広島で被爆し、被爆体験と核兵器廃絶の願いを世界中に伝えてきた
サーロー節子さんを、4年間に渡って密着取材したドキュメンタリーです。
広島出身の被爆二世の竹内道さんの目を通して、節子さんの生涯が描かれ、今年1月の
「核兵器禁止条約発効」までの道のりを追ったドキュメンタリーになっていました。
ふたりは偶然にも、広島女学校の先輩と後輩にあたり、出会ったときから道さんが
節子さんの足になるような生活を続けます。
サーローさんは、2017年にノーベル平和賞を受賞した”ICAN"(核兵器廃絶国際
キャンペーン)を代表して、授賞式でスピーチをし、世界中の人の心に届かせた。
女学校の351人の友だちや、実の姉と甥の被爆死。
サーローさんの行動の原点はそこにありました。
世界中から核兵器がなくなるまで、サーローさんの活動はとどまりません。
「同情は求めていません。人々に行動してほしい。そのために私は語り続けるんです。」
サーローさんの言葉が、胸深くに入ってきました。
植物園の牡丹
潮流 (4月20日)
もう使命感だけではもたない。心も体もぼろぼろになって、後ろ髪を引かれるような思いで辞めていく。
いま新型コロナの最前線で働く人たちが次つぎと現場を去っているー▼「看護師たちの限界線」。コロナ
患者を受け入れている東京女子医大病院にNHKが密着、集中治療室にカメラが入りました。番組から伝わ
ってきたのは過酷な勤務状態とともに、命を守る労働者を冷遇する実態でした。▼全身密閉で首が痛くなる
ほど重いマスクを着け、重症患者を相手に長時間の看護。感染予防のためホテル暮らしで家族や友人に会う
機会もほとんどない。疲労はピークに達し、いつ心が折れるかわからない。亡くなる患者が相次ぎ焦りや無
力感にもさいなまれる……▼最も必要な場に人手が足りない。停年退職や妊娠中の看護師の手も借りる綱渡り
の状態。それなのにボーナスは大幅にカットされ、定期昇給も見送られる。コロナによって経営が悪化した
病院を国が支えないからです。▼北海道医労連は医療従事者への抜本的な改善を求め街頭やSNSで声を上げて
います。定期的なPCR検査もせず、五輪にまい進している場合なのかと。この一年余、悩み苦しみながら
コロナとたたかってきたケア労働者に通じる怒りでしょう。▼第4波に襲われている日本。ふたたび医療現場
はひっ迫し、命と生活を守る必死の日々が続く一方で、五輪や軍事に巨額を費やす。この国の政府が何を優先
しているか。未曾有の危機のなかでいびつな姿をさらけ出しています。
(しんぶん赤旗より)