空蝉をいっぱいつけた公園の木。
ここにもいっぱい。
よく見ると・・・。
ニイニイゼミ?
八月が近くなると思い出す歌人がいます。
河野裕子さんです。(1946/7/24~2010/8/12 享年64歳)
産み終へし母が内耳の奥ふかく鳴き澄みをりしひとつかなかな
これは自分が生まれた日のことを想像して詠っていると思います。
1972年刊『森のやうに獣のやうに』より
しんしんとひとすぢ続く蟬のこゑ産みたるのちの薄明に聞こゆ
長男を出産したときの歌です。
1976年刊『ひるがほ』より
遺すのは子らと歌のみ蜩のこゑひとすぢに夕日に鳴けり
死を覚悟したときの歌でしょうか?
2008年刊『母系』より
遺歌集は『蟬声』としてまとめられました。
最後の4首は、夫である永田和宏さんが口述筆記をしました。
あなたらの気持ちがこんなにわかるのに言ひ残すことの何ぞ少なき
さみしくてあたたかかりきこの世にて会ひ得しことを幸せと思ふ
八月に私は死ぬのか朝夕のわかちもわかぬ蟬の声降る
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が
何を書きたかったのかというと、河野裕子さんの生涯と蟬との関係が
深かったと言うことです。
きょうの潮流
暑い。セミが鳴き始めたから梅雨明けなのか。梅雨が明けたから
セミが鳴き始めたのか。諸説あるようです。セミの気持ちになって
考えてほしいという意見もありました。
▼では、これはどうか。脅迫文が届いたから公共施設使用の予約を
取り消すのか。表現の自由を守るために脅しに立ち向かうのか。
どちらが自治体のあるべき姿なのか。前者の立場をとったのが大阪
の吉村維新府政でした。
▼諸説はなく、大阪地裁、高裁、最高裁の判断に迷いはありません
でした。大阪府立労働センター(「エル・おおさか」)の使用を
認めることを即断しました。「表現の不自由展かんさい」(16日
から18日)は無事開催されました。
▼大阪地裁の決定は「管理者が正当な理由もないのにその利用を拒否
するときは、憲法の保障する集会の自由、表現の自由の不当な制限に
つながるおそれがある」と明確です。大阪高裁の決定も、主催者が
催し物を平穏に行おうとしているのに妨害を理由に「公の施設の利用
を拒むことは(表現の自由を保障した)憲法21条の趣旨に反する」
と断じました。
▼展示会場のボードには「こんなことが自由に見られない今の日本は
本当に自由なのか」「ただ真実があるだけでした」「来れてよかった
です。開催してくださり本当にありがとうございました」などのメッ
セージがびっしり。
▼連日とも早くに入場整理券が予定枚数に達する盛況でのべ約1300
人が来場。実行委員会メンバーは語ります。
「市民の思いが表現の自由を関西で守った」
(しんぶん赤旗より)
最近、そう言えば、蝉の鳴き声をあまり聞かなくなりました。
里山近くで草刈りボランティアをしておれば、蝉時雨ぐらいは聞けそうなものですかが、前回は気づかなかったです。
長い間土の中、地上に出れば、あっと言う間の命、蝉の儚さを抜け殻をみる度に思います。
暑いなか、草刈りをされたのですね!
蝉の声を聞かれなかったとは、不思議ですね!
この辺では、うるさいほどに鳴いていますよ!
短い命を、精いっぱい燃やしているんでしょうね。
そう思うと応援したくなります。