ひまわりのちいさなつぶやき

日々思うこと、感じたことをつれづれなるままに綴っていきます。

「塔」に載った歌

2022-10-15 20:00:25 | 短歌

 

下弦の月を少し過ぎた月を見ました。

ピラティスに行く途中です。(9時前)

 

              8月号の歌

 

               灰色の街になりたるマリウポリ新緑の国に映像を見る

 

          駐屯地のメタセコイアの新緑は明るき影を戦車に落とす

 

          カミツレの歌のページに栞紐はさまれてありαの字に

 

          ウクライナの都市の名前を覚えゆく攻撃受けしニュースのなかに

 

          唇の皮を剥く手が止まりたり画面に並ぶ遺体の袋

 

          東山を染めるベージュは橅の花 中島さんが教へくれたり

 

                                  (永田淳さん選)

 

            9月号の歌  

      

          取り直しの判定受けて笑みゐたりブルーのまはし付けし翔猿

      

          とほくから名前を呼ばれてゐるやうな あぢさゐ色の雲見ゆる道

      

          ぺしやんこの葉のあひだから伸びてきてヒオウギ咲くが待ち遠しかり

      

          胸と裾にひまはりの咲くワンピース立ち姿よし電車のなかに

      

          青と黄のビーズに作りしストラップ買うてカンパとしてもらひたり

      

          婦人科を終へて決めたり薔薇を見に植物園まで足延ばすこと

 

                                   (小林信也さん選)

 

             10月号の歌

 

          一冊の歌集をのこし友逝けり茶色の和紙の和綴ぢ仕立ての

 

          製本も和綴ぢも習ひ仕立てしとあとがきにあり夫君とともに

 

          お名前は本名ですかと尋ねたり幾度か会ひしのちの初校に  (坂楓さん)

 

          はやばやとコスモスの咲く河川敷 小石のひとつひとつが熱い

 

          「秘密基地植物園カフェ」三人でランチタイムに行きしは二回

 

          「さみしいの」とよく言はれたりかはいらしい細く小さな身体でいつも

 

          坂さんの歌には愛があふれてたカラスに注ぐ目もあたたかく

 

          去年より陣地を拡げワルナスビ強き陽射しのなかに咲きをり

 

                                   (小林幸子さん選)

 

 

        


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