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ヨーヨー・マのライブを聴く

2020年05月25日 | 演奏会へ
今日はバッハから始まった。ヨーヨー・マのインターネット・ライブで無伴奏組曲を聴いたのだ。これはCOVID-19の犠牲者の追悼と回生を祈念するものでボストンから配信された。

日本時間で今朝の4時(現地では日曜日の午後3時)からだったが、早々と3時に起きてしまいニュースなどを読みながらパソコンの前で待つ。やがて、誰もいないスタジオが映り、マの短いスピーチの後、ト長調が流れ出した。

窓から白々と朝の光がさしてきた4番からは散歩しながらiPhoneで聴いた。最後の30分は庭で草むしりをしながら聴いた。
この組曲全曲を通しで聴いたのはこれが初めてだと思う。難解な4番、5番を好んで聴くことはしなかったから。ところが、今朝は苦手だった2曲がすんなりと耳に入ってきた。

バッハの身辺には死が付きまとった。両親の死、兄弟の死、そして最初の妻、子供の死。ライプチッヒに来てからはカントルとして葬儀の音楽を書いた。チェロ組曲は若い頃の作品ではあるが、生と躍動の中にふと混じるある気配を感じることがある。

バッハの時代に比べたら現在の日本の医療の発達は比べ物にならないほど進んでいる。とは言っても、初めての病原菌に対しては打つ手が限られている。閉じた門戸を開けるのは簡単なことだけれど、これで「忌明け」ということではないだろう。まだまだ我々の知恵が試され続けるのだろう。