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密室のハエトリグモ 2

2024年10月13日 | ぼくの博物誌
前回からの続き)

一匹の小さなクモですが、日に何度かお目にかかっているうちに不思議と愛着がわいてくるものです。姿が見えないと心配してしまうほどなのですが、じきに廊下や本棚や、時には机の上にいることを見つけてその時はほっとするのでした。家の中とは言え、小さなクモにとって安全とは言えません。

そんなことが繰り返されているうちに、とうとうブル(ハエトリグモのニックネーム)の姿を見かけなくなりました。
ある日、どうしているのかなと落ち着いてよく考えてみて、はっと気づきました。ブルはトイレに棲んで、毎日、餌を取りに出かけていると考えた私が間違っていたのではないか。ブルは我が家全体を縄張り、あるいは生活圏としていると考えるのが正解なのではないか、と。
たまたまトイレにいたときに目にしただけなのに、自分(人間)の生活の固定観念からブルをトイレに棲みついたと決めつけていたのです。


ハエトリグモは定住者ではなく、通勤者でもさらさらなく、そもそもそのような概念すらなく、家全体あるいは家の周辺も含めた世界を漂泊する者であり、旅を住みかとする永遠のハンターと言えるのではないか。

ハエトリグモは、狩猟に生きているのは確かです。ハエトリグモの一生はエサを求めて移動することです。クモの巣で待つのではなく、狩りに生き狩りに死ぬことこそが彼らの人生。トイレに定住するようなせせこましい人生ではありません。その行動範囲は広大無辺であり孤高です。
う~ん、それは大袈裟ですが、ハエトリグモに比べて自分の人生のなんと狭く小さいことか。小さなクモから教えられたなあと(少し)思うのでした。(おわり)

(参考)
ハエトリグモの求愛とオスどうしの闘い(東京ズーネット:多摩動物公園)*画像、動画あり。 






今日は昨日に続いて穏やかな天気に恵まれました。写真は昼前の空の景色です。たまには出かけたいところですが、相変わらず家に籠ってピアノの練習でした。狭い世界の安住者です(笑)。ハエトリグモは常に獲物を求めて歩き回っていますが、「片雲の風にさそはれ」ることはないのでしょう。
Pentax Q7 / 02 Standard Zoom 5mm-15mm F2.8-4.5


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