かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

マスクと直筆メッセージと心の距離感

2021年02月12日 | 好きなもの
半年間のステイホーム後に職場復帰してもうすぐ半年。
このところはだいぶ、本来の自分を取り戻している感がある。

職場内異動して、検査技師さんたちが新しい同僚となった。
親交を暖めたいところではあるけれど、今は歓送迎会も行えないし、昼食中も無言を守らねばならない状況。

ラボにいる技師たちは、常に器械や検体に意識を集中して仕事をしているので、なかなかこちらからは気軽に声をかけられない。
考えてみると、病棟のナースステーションなどでは時々同僚たちと世間話などをして、適度に一息入れていたのだなあと気づく。

挨拶代わりにみんなにマスクを仕立てて差し上げようと思い、少しづつではあるが作りためていた。
けれど、さすがに全員ぶん仕立て終わるまでには時間がかかる。
とくに同じデザインを作り続けるのは飽きてくるため、根気が要る。

先週末、ラボの数名が予定外に休日出勤し、夜遅くまで働かなければならない事態が発生した。
そのことを知ったのは、週が明けた月曜日。
知らせてくれれば、後方支援など、私でも何かできることがあったんじゃないか・・・と、すごく残念な気持ちになった。

そういう気持ちもあり、とりあえず休日出勤した人たちに一足先に、できあがっていたマスクを慰労の気持ちで進呈した。

普通なら、作ってほしいと言ってもらった人に、その人の好みや、その人のイメージからデザインを考えて作る。
作り手としては、実はこの工程が一番楽しい。

けれど、今回は個人の好みは無視しているわけで、使えば洗濯やアイロンがけも必要なものだし、しかも上司的立場にいる自分から渡されたら、かえって迷惑に思われるかも・・・などと、色々と不安な思いがあった。

けれど、みんなの反応から察するに、それは杞憂だったと思っていいようだった。


「メッセージを読んで、あの日がんばってよかったって思いました」

意外だったのは、マスクにつけた直筆のメッセージに感動してくれたこと。


「立派な布ですね。着物の・・・ですか?」

そう、表地に使ったのは、おばあちゃんの箪笥に眠っていた反物のひとつで、ウールの着物地。
ちなみに肌にあたるほうは、木綿。

おばあちゃんも喜んでくれていると思う。


世の中では布マスクとサージカルマスクの重ね着けといったことが推奨され始めているようだけれど、流行地以外の密でない場所での普段使いであれば、ずれにくくてフィット感の良いパターンのこの布マスクは、これからも活躍してくれるはず。

なにより、マスクで彼女達との心の距離感が縮まったのがうれしい。











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