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仕草からも、彼女の未熟さは見て取れる。熟練の戦士とは程遠い振る舞いだ。少なくとも戦場において、その一瞬のよそ見は致命的だった。蛍の視線は目の前で第二撃を繰り出さんとしているタルタリヤではなく、遠く飛ばされて行く彼女の武器に向けられた。
それどころか、追い縋るように彼女の右手は武器の方に伸びていて。
「ハッ、甘いね!」
タルタリヤは苛立ち混じりにそう叫んだ。戦いにおいての優先順位が何もかも違う。制御しきれない無意識の言動が命取りになるのだと、彼女は何故分からないのか。
タルタリヤにとってこの戦いはご馳走であり、神の心がないと知った今となってはただの八つ当たりでもあった。蛍の命を奪うつもりは少しもない。彼にとっての醍醐味はいかにこの戦いを楽しむか。
ただ、それだけ。
それだけのことで、蛍の命はどうにか首の皮一枚繋がっている。
そうでなければタルタリヤは今から繰り出すこの一撃で、彼女の首を刎ね飛ばせる自信があった。それをしないのは彼の慈悲であることに、この旅人は気付きもしないのだ。
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殺すつもりはない。けれどタルタリヤには手加減する理由もメリットもない。
それなのに彼は振りかぶった武器を納め、戦うことを止めてしまう。そのまま彼女のぴんと伸ばされた右手を掴む。まるで遠くへ行こうとする蛍を引き止めるような動きだった。
勝手気ままに動き回る子供を留めるような。博愛さえ感じ取れるような。
がらんがらんと、遠くで彼女の片手剣が床を転がる音がする。
そちらに向いていた蛍の瞳がタルタリヤの方に向けられる。その目はちらりと掴まれた右手を見たかと思うと、すぐ驚きに見開かれた。なぜ、と彼女の口が動いたのはタルタリヤにも分かった。
さっきまでの敵意とも害意とも違う無垢なそれは、彼女をほんの少し子供っぽく見せる。
そのことにタルタリヤは満足し、ふわりと甘ったるい笑みを浮かべた。
「本当に、甘いね?」
ぱちり、とタルタリヤの邪眼が薄く光を放つ。蛍がハッと息を飲む。
瞬間、タルタリヤは彼の持つ最大火力で蛍に雷を叩き込んだ。落雷に似た閃光が二人を包む。轟音が空気を震わせる。蛍の口から発せられたであろう絶叫を覆い尽くすほどの轟音だった。
タルタリヤに掴まれたままの蛍の右手が、だらりと力を失った。
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蛍は唇をぎゅうと噛み締める。どうにか足に力を入れ、そのままの姿勢を維持しようとした。だが、もはや平衡感覚すら狂わされ、まともに立つことさえ叶わない。彼女は苦痛に顔を歪ませたかと思うと、そのまま膝から崩れ落ちた。