弟の「あまりいい話じゃないんだけど」

珍しく、弟より連絡がありました。

「あまりいい話じゃないんだけど」

そこで切れていて、その後数分そのままでした。

 

その間、たまたま近くにいた夫と話しました。

「いい話じゃないって、なんだろう」

「いよいよ離婚とか？」

「長男が全落ちしたとか？」

 

以前聞いた弟の話によると、夫婦仲がこの数年よくなくて

たびたび奥さんから離婚を切り出されるんだそうです。

前回会った秋のお彼岸の時も

「下の子が高校になったら離婚するって言われた」

と話していました。

下の子は今年高校受験、いよいよか？と思ったのは

こういう事情です。

 

そして、大学受験の上の子ですが

せっかく内部進学で大学入れる高校に入ったのに

それを蹴って一般受験で有名私立大学を目指す、と

聞いていました。

我が家の人たちは

「無理じゃない？」

とささやきあっていたので、

離婚でなければその報告かと思いました。

 

待つこと数分、やっと続きが送信されてきました。

「妻の父親が誤嚥性肺炎のため、余命３ヶ月と診断された」

とのことでした。

義妹のお父さんは８０代、認知症を患っていて

施設に入所しています。

入所後に脳梗塞も発症、車イスの生活になったと聞いていました。

 

自分の父のことを思い返すと

「寿命なのかな」と感じました。

 

が、弟は違いました。

「コロナで病床がひっ迫しているから

医師がちゃんと診てくれないじゃないかな。

うちの父親の時は、もっと診てもらえたのに。

こんな簡単に余命とか言われるの？」

と言うようなことを言ってきました。

 

ちょっと待って、二つほど違っている。

そもそもうちの父は２度誤嚥性肺炎で入院して

一度目は飲み込む力がまだあったから

施設に戻れたんだけど

二度目は飲み込みが悪くなってしまって

点滴が必要になり施設には戻れなかったんだよ。

そして点滴のみになってからは１か月くらいで亡くなったんだよ。

お嫁さんのお父さんは、うちの父の２度目の入院と

同じ感じなんじゃないかな。

うちの父の病状についての、弟の認識違いをまず訂正しました。

 

そして、もう一つ「医療のひっ迫」

弟は、自分の住む県は医療がひっ迫していると思い込んでいるので

弟の住む県のベッドの使用状況をバーンと送ってあげました。

それだけでなく、

「東京なんて、用意したベッド数を半分で報告して

”医療のひっ迫”とか言ってたんだよ」

と聞かれてもいない追加情報を送ってあげました。

 

と言うやりとりがあったことを夫に話すと

「弟、かわいそうに。

多分、それは大変！程度の返信で

よかったのでは…」

と言われました。

 

確かに！

「〇〇さん（お嫁さんの名前）のお父さんの病状に

変わりがあったら連絡してね」

これがこの時の正解であったのか…

 

だけどさ、弟が会社で

「医療がひっ迫してるから、義父もきちんと診てもらえないのかも」

なんて言うとデマになるし、

弟は一応会社で偉い人なんで、場合によっては部下に

「部長はきちんとした情報を得てないんですね、情弱？」

なんて陰口言われたらかわいそうだし。

と、自分を正当化してこの話は終わりました。

 

そして、弟の離婚の話と子供たちの受験の話は

結局何も触れていなかったので

そのままにしておきました。

これはこれで正解？