夜の部の感想も書いてないというのに、昼の部の感想を先に書いちゃいます。
観に行ったのは18日。
今回は歌舞伎を観るのが初めて、というお友達と一緒でした。
歌舞伎座がもう少しで(って言っても1年半もあるけど)取り壊しなので、その前に歌舞伎を見てみたいというお友達が増えています。
動機はなんでも、これがきっかけで沢山の人が歌舞伎の魅力に気付いてくれればいいなと思うんですけどね~
今月の歌舞伎座に関しては昼の部に重くて悲しい演目が続き、夜の部は対照的に楽しくておめでたい演目ばかりだったので、両方観た私には見比べ出来て良かったけど、歌舞伎初心者に昼の部だけっていうのはちょっと失敗したかもって思ってます。
演目自体は魅力的なものが揃っているのにな~ もうちょっとバランスを考えてください、松竹さん。
日曜は雨が降りそうだったけど、どうしても着物が着たくて、雨が降ったら雨草履買えばいいやと強行突破。
お天気は家に着くまでなんとか持ったので着て正解でした。
コーディネートはおばあちゃんから譲り受けた若草色地に鶴の絵柄の小紋に、年末にセールで手に入れた白地に雪芝紋の帯にピンクの帯揚げ、帯締め、というおとなしめな感じにしてみました。
せっかくなので後姿を一枚。

我ながら上手く結べたかな~なんて。
着付けの先生にあとで写真を見せたら、「今のレベルにしてはなかなか上出来じゃない」と言ってくれたんですが、なかなか褒めてくれない先生なのですごく嬉しかったです。
と言っても色々ダメだしされましたけどね~
今回は帯もねじらない結び方にしたので背もたれに寄りかかっても全く痛くなくてよかったです。
まだ手結びしか習ってないので、今後花枕の締め方を教わればそっちの方が観劇には楽でいいのかもしれません。
先週着物を着て、あまりの寒さに勢いで着物コートをネットで買っちゃいました。
キャメル色のへちま衿のコート。それを着たら全然寒くなかったので、しばらく重宝しそうです。
歌舞伎座歌舞伎座さよなら公演
壽初春大歌舞伎
平成21年1月3日(土)~27日(火)昼の部
一、祝初春式三番叟(いわうはるしきさんばそう)
翁 富十郎
千歳 松 緑
千歳 菊之助
後見 松 江
後見 錦之助
三番叟 梅 玉
二、平家女護島
俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 幸四郎
海女千鳥 芝 雀
丹波少将成経 染五郎
平判官康頼 歌 六
瀬尾太郎兼康 彦三郎
丹左衛門尉基康 梅 玉
三、花街模様薊色縫
十六夜清心(いざよいせいしん)
清心 菊五郎
十六夜 時 蔵
恋塚求女 梅 枝
船頭三次 歌 昇
俳諧師白蓮実は大寺正兵衛 吉右衛門
四、鷺娘(さぎむすめ)
鷺の精 玉三郎


●祝初春式三番叟
お正月らしい、大変おめでたい格式のある踊りで、もともとは、能の「翁(おきな)」、能狂言の「三番叟」にあるものを歌舞伎に取りいれたとのこと。
翁(おきな)が、若衆役者の千歳(せんざい)を連れて舞い、この2人に烏帽子を被り、老人である"三番叟"が加わって滑稽味のある踊りを軽妙に踊ってみせるというものです。
翁に富十郎、千歳に菊之助と松緑、三番叟に梅玉という豪華な配役。
昼の部の菊ちゃんのお役はこれだけなので、気合いを入れてしっかりと見ました。
とっても品のある美しい千歳だったけど、出番が短すぎる!もっと観たかったというのが本音です。
儀式的な色が強いので仕方ないけど、もうちょっと派手でもいいのに、なんて思っちゃいました。
●俊寛
今まで観た歌舞伎の中で、必ずと言っていいほど泣いてしまう重くて悲しい演目です。
幸四郎の俊寛は初めてだったのですが、幸四郎の重々しい雰囲気にぴったりだと思いました。
あらすじは、平家討伐を謀った陰謀が表ざたになり、俊寛と康頼、少将の3人は、南海の孤島・鬼界ヶ島へ流されている。島の海女・千鳥となじみ夫婦になることを決めた少将を、俊寛らが祝っている。
そこへ赦免の知らせを告げる船がやってくる。上使の瀬尾が赦文を読み上げると、そこに俊寛の名は入っていなかった。だが、もう一人の上使・丹左衛門が読んだ赦文の方では俊寛も赦されていた。
乗船の折、少将とともに千鳥も乗ろうとするが、瀬尾が拒む。それを見て少将は残るといい、康頼も俊寛も同調する。
そのとき瀬尾は俊寛に、彼の妻・あづまやが平清盛の側女となることを拒み、子とともに自害したことを告げる。俊寛は都に帰ることをやめ、千鳥を自分の代わりに乗せる覚悟をする。
そして瀬尾の刀を抜き、瀬尾に斬りつける。この罪で俊寛は、自分は流人として再び島に残るといい、千鳥と少将、そして康頼、基康を乗せて船は都へと発つ。船をいつまでも見送る俊寛・・・。
都に帰りたくて帰りたくてしょうがないのに、仲間の幸せを願い島に残ることを決めた俊寛。
気丈に見送ったにもかかわらず、船が出てしまうとやはり悲しみが込み上げてきて、岩にしがみついて叫び続けるシーンは俊寛の無念さがガンガン伝わってきて、泣けて泣けてしょうがなかったです。
平家物語では、この後俊寛は娘の手紙を読んで自害するってありました、悲しすぎだわ・・・。
千鳥だってやっとのことで船に乗れはしたけど、都に行けたからと言って海女と言う身分ではきっと幸せにはなれないんだろうな~なんて考えるとこちらも切ないよなって思っちゃいました。
●十六夜清心
待ってました!菊五郎さんの登場です。
菊五郎さん演じる清心と、時蔵さん演じる十六夜の情緒たっぷりのくどきのシーンと、清心のちょっとした出来心から殺人を犯し、一転して悪の道に踏み入れる際の豹変ぶりと名台詞が有名なこのお芝居。
世話物を得意とする菊五郎さんが魅せてくれました。
菊五郎さん演じる清心がとにかく色っぽくて男前なんですよね~
十六夜との濃密なラブシーンは2人の世界って感じでもううっとり、見とれちゃいました。
金に目がくらんで殺しをし、50両を盗んだあとの、「殺しを見ているのはお月さまだけだし、一人殺すも千人殺すのも取られる首は一つなんだから、これから悪事をどんどんやっていこう」って七五調で啖呵を切るのがもうかっこいいったらありゃしない。
今回はお芝居の一部分だけの上演だったので、これから清心がどんな悪人になっていくのか、非常に気になります。
十六夜を助ける白蓮に吉右衛門と、豪華な配役だったのでちゃんと通しで観てみたい~!って思いました。
●鷺娘
昼の部最大の目玉、お目当ての「鷺娘」です。
定評がある玉三郎の鷺娘、シネマ歌舞伎で観たことはあったけど、生で観るのは初めて。
雪が舞い散る中、傘を差し真っ白な衣装で登場する玉三郎のなんて綺麗なこと!
ちょっと尋常じゃないくらいの美しさでもうびっくり。
ただずまいから、表情、動きの一つ一つ、全てが素晴らしく目が離せなくてかぶりつき状態で観てしまいました。
恋に傷ついた鷺の精が人間に乗り移り、悲しみを切々と語るという踊りなのですが、本当に魂が乗り移ってるんじゃないかって錯覚してしまう位、玉三郎が傷ついた鷺そのものに見え、痛いほどその悲しみが伝わってきました。
衣装の引き抜きもほんとお見事!一瞬にして変わる美しい衣装の数々にため息がこぼれるばかりです。
やがて鷺の精は道ならぬ恋をしたために地獄の責めを受け、降りしきる雪の中、息絶えます。
とにかく最初から最後まで美しい!この一言に尽きます。
終わってからも魂持ってかれてぼーっとしてしまい、しばらく席を立つことができませんでした。
昼の部は内容が濃いものが多くて充実してたけど、最後の鷺娘だけにお金払ってもいいわ!って位素晴らしかったと思います。
終演後、ちょっと時間があったのと雨が降りそうだったので歌舞伎座近くにある呉服屋さんで雨草履を買いました。
ちょうどお正月セール中でくじを引いたらなんと、3等が当たっちゃいました!
当たったのがこちら。

茶色のファーなのですが、実はマフラーじゃ首元が寒いからファー買おうかなんて話してた時だったのでなんてラッキー!
これも厄除け効果かしらね~なんて友達と話してました。
夕食は歌舞伎座裏手にある「銀の塔」さんへ。
こちらのシチューはちょっと和風で優しい味なので結構好きなんです。
こちらは小鉢。

ミックスシチューはタンと牛肉とお野菜が入っていてお得!
タンがやわらか~い!

食後のデザートのアイスまですべて完食!
いいお芝居に、美味しい食事、本当に充実した一日でした。
観に行ったのは18日。
今回は歌舞伎を観るのが初めて、というお友達と一緒でした。
歌舞伎座がもう少しで(って言っても1年半もあるけど)取り壊しなので、その前に歌舞伎を見てみたいというお友達が増えています。
動機はなんでも、これがきっかけで沢山の人が歌舞伎の魅力に気付いてくれればいいなと思うんですけどね~
今月の歌舞伎座に関しては昼の部に重くて悲しい演目が続き、夜の部は対照的に楽しくておめでたい演目ばかりだったので、両方観た私には見比べ出来て良かったけど、歌舞伎初心者に昼の部だけっていうのはちょっと失敗したかもって思ってます。
演目自体は魅力的なものが揃っているのにな~ もうちょっとバランスを考えてください、松竹さん。
日曜は雨が降りそうだったけど、どうしても着物が着たくて、雨が降ったら雨草履買えばいいやと強行突破。
お天気は家に着くまでなんとか持ったので着て正解でした。
コーディネートはおばあちゃんから譲り受けた若草色地に鶴の絵柄の小紋に、年末にセールで手に入れた白地に雪芝紋の帯にピンクの帯揚げ、帯締め、というおとなしめな感じにしてみました。
せっかくなので後姿を一枚。

我ながら上手く結べたかな~なんて。
着付けの先生にあとで写真を見せたら、「今のレベルにしてはなかなか上出来じゃない」と言ってくれたんですが、なかなか褒めてくれない先生なのですごく嬉しかったです。
と言っても色々ダメだしされましたけどね~
今回は帯もねじらない結び方にしたので背もたれに寄りかかっても全く痛くなくてよかったです。
まだ手結びしか習ってないので、今後花枕の締め方を教わればそっちの方が観劇には楽でいいのかもしれません。
先週着物を着て、あまりの寒さに勢いで着物コートをネットで買っちゃいました。
キャメル色のへちま衿のコート。それを着たら全然寒くなかったので、しばらく重宝しそうです。
歌舞伎座歌舞伎座さよなら公演
壽初春大歌舞伎
平成21年1月3日(土)~27日(火)昼の部
一、祝初春式三番叟(いわうはるしきさんばそう)
翁 富十郎
千歳 松 緑
千歳 菊之助
後見 松 江
後見 錦之助
三番叟 梅 玉
二、平家女護島
俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 幸四郎
海女千鳥 芝 雀
丹波少将成経 染五郎
平判官康頼 歌 六
瀬尾太郎兼康 彦三郎
丹左衛門尉基康 梅 玉
三、花街模様薊色縫
十六夜清心(いざよいせいしん)
清心 菊五郎
十六夜 時 蔵
恋塚求女 梅 枝
船頭三次 歌 昇
俳諧師白蓮実は大寺正兵衛 吉右衛門
四、鷺娘(さぎむすめ)
鷺の精 玉三郎


●祝初春式三番叟
お正月らしい、大変おめでたい格式のある踊りで、もともとは、能の「翁(おきな)」、能狂言の「三番叟」にあるものを歌舞伎に取りいれたとのこと。
翁(おきな)が、若衆役者の千歳(せんざい)を連れて舞い、この2人に烏帽子を被り、老人である"三番叟"が加わって滑稽味のある踊りを軽妙に踊ってみせるというものです。
翁に富十郎、千歳に菊之助と松緑、三番叟に梅玉という豪華な配役。
昼の部の菊ちゃんのお役はこれだけなので、気合いを入れてしっかりと見ました。
とっても品のある美しい千歳だったけど、出番が短すぎる!もっと観たかったというのが本音です。
儀式的な色が強いので仕方ないけど、もうちょっと派手でもいいのに、なんて思っちゃいました。
●俊寛
今まで観た歌舞伎の中で、必ずと言っていいほど泣いてしまう重くて悲しい演目です。
幸四郎の俊寛は初めてだったのですが、幸四郎の重々しい雰囲気にぴったりだと思いました。
あらすじは、平家討伐を謀った陰謀が表ざたになり、俊寛と康頼、少将の3人は、南海の孤島・鬼界ヶ島へ流されている。島の海女・千鳥となじみ夫婦になることを決めた少将を、俊寛らが祝っている。
そこへ赦免の知らせを告げる船がやってくる。上使の瀬尾が赦文を読み上げると、そこに俊寛の名は入っていなかった。だが、もう一人の上使・丹左衛門が読んだ赦文の方では俊寛も赦されていた。
乗船の折、少将とともに千鳥も乗ろうとするが、瀬尾が拒む。それを見て少将は残るといい、康頼も俊寛も同調する。
そのとき瀬尾は俊寛に、彼の妻・あづまやが平清盛の側女となることを拒み、子とともに自害したことを告げる。俊寛は都に帰ることをやめ、千鳥を自分の代わりに乗せる覚悟をする。
そして瀬尾の刀を抜き、瀬尾に斬りつける。この罪で俊寛は、自分は流人として再び島に残るといい、千鳥と少将、そして康頼、基康を乗せて船は都へと発つ。船をいつまでも見送る俊寛・・・。
都に帰りたくて帰りたくてしょうがないのに、仲間の幸せを願い島に残ることを決めた俊寛。
気丈に見送ったにもかかわらず、船が出てしまうとやはり悲しみが込み上げてきて、岩にしがみついて叫び続けるシーンは俊寛の無念さがガンガン伝わってきて、泣けて泣けてしょうがなかったです。
平家物語では、この後俊寛は娘の手紙を読んで自害するってありました、悲しすぎだわ・・・。
千鳥だってやっとのことで船に乗れはしたけど、都に行けたからと言って海女と言う身分ではきっと幸せにはなれないんだろうな~なんて考えるとこちらも切ないよなって思っちゃいました。
●十六夜清心
待ってました!菊五郎さんの登場です。
菊五郎さん演じる清心と、時蔵さん演じる十六夜の情緒たっぷりのくどきのシーンと、清心のちょっとした出来心から殺人を犯し、一転して悪の道に踏み入れる際の豹変ぶりと名台詞が有名なこのお芝居。
世話物を得意とする菊五郎さんが魅せてくれました。
菊五郎さん演じる清心がとにかく色っぽくて男前なんですよね~
十六夜との濃密なラブシーンは2人の世界って感じでもううっとり、見とれちゃいました。
金に目がくらんで殺しをし、50両を盗んだあとの、「殺しを見ているのはお月さまだけだし、一人殺すも千人殺すのも取られる首は一つなんだから、これから悪事をどんどんやっていこう」って七五調で啖呵を切るのがもうかっこいいったらありゃしない。
今回はお芝居の一部分だけの上演だったので、これから清心がどんな悪人になっていくのか、非常に気になります。
十六夜を助ける白蓮に吉右衛門と、豪華な配役だったのでちゃんと通しで観てみたい~!って思いました。
●鷺娘
昼の部最大の目玉、お目当ての「鷺娘」です。
定評がある玉三郎の鷺娘、シネマ歌舞伎で観たことはあったけど、生で観るのは初めて。
雪が舞い散る中、傘を差し真っ白な衣装で登場する玉三郎のなんて綺麗なこと!
ちょっと尋常じゃないくらいの美しさでもうびっくり。
ただずまいから、表情、動きの一つ一つ、全てが素晴らしく目が離せなくてかぶりつき状態で観てしまいました。
恋に傷ついた鷺の精が人間に乗り移り、悲しみを切々と語るという踊りなのですが、本当に魂が乗り移ってるんじゃないかって錯覚してしまう位、玉三郎が傷ついた鷺そのものに見え、痛いほどその悲しみが伝わってきました。
衣装の引き抜きもほんとお見事!一瞬にして変わる美しい衣装の数々にため息がこぼれるばかりです。
やがて鷺の精は道ならぬ恋をしたために地獄の責めを受け、降りしきる雪の中、息絶えます。
とにかく最初から最後まで美しい!この一言に尽きます。
終わってからも魂持ってかれてぼーっとしてしまい、しばらく席を立つことができませんでした。
昼の部は内容が濃いものが多くて充実してたけど、最後の鷺娘だけにお金払ってもいいわ!って位素晴らしかったと思います。
終演後、ちょっと時間があったのと雨が降りそうだったので歌舞伎座近くにある呉服屋さんで雨草履を買いました。
ちょうどお正月セール中でくじを引いたらなんと、3等が当たっちゃいました!
当たったのがこちら。

茶色のファーなのですが、実はマフラーじゃ首元が寒いからファー買おうかなんて話してた時だったのでなんてラッキー!
これも厄除け効果かしらね~なんて友達と話してました。
夕食は歌舞伎座裏手にある「銀の塔」さんへ。
こちらのシチューはちょっと和風で優しい味なので結構好きなんです。
こちらは小鉢。

ミックスシチューはタンと牛肉とお野菜が入っていてお得!
タンがやわらか~い!

食後のデザートのアイスまですべて完食!
いいお芝居に、美味しい食事、本当に充実した一日でした。
一度ナマで拝見したい!しかも一等席で!!
俊寛は、昨夏に亀治郎の会で観たけど、ホントに重い…
ただでさえ気分が優れなかったのに、観ていて途中
あまりの重さに救護所のお世話になったんだったわ…
( ̄▽ ̄)ノ″
苗場の行きに、菊ちゃんだけ幕見しに行きます!(^^)
また観る機会があれば絶対一等席だわね~
苗場の前に幕見するの!?
マディさんのそのバイタリティに脱帽だわ!
立ち見でも、同じ装束でも、菊ちゃんは光って見えたーっ☆